美男2

「意気投合」

*152*


ギョンセとテギョン、無口なところも、ふたりは、似ていた。
親子の会話は、ほとんど無く、隣で、話を弾ましているヒヨナとミニョの会話を聞いていた。

「じゃあ、ミニョさんは、テギョンくんと知り合う前までは、シスターをしていたのね。それから、アフリカにボランティアに行って、それから、今は、何をしているの?」

「今、ボランティアのスタッフをしています。」

「そう、私も、ピアニストの活動をしているとき、よく、チャリティーに参加させてもらっていたわ。音楽は、世界共通だから、色々な国で弾かせてもらって、色々な人に聴いてもらって、本当に、楽しかったわ。今は、ギョンセさんについて世界を回っているけど、ギョンセさんも、忙しい公演の合間を縫って、チャリティーイベントに意欲的に参加してもらっているのよ。」

「へぇ・・・そうなんですか・・・スゴイですね・・・テギョンさんもこの前、チャリティーイベントに、サプライズ出演してくださったんですよ・・・ビックリしたんですけど、本当に、嬉しかったです。」

「それで・・・・」

ふたりは、すっかり打ち解けたらしく、仲良く、お互いの話をしていて、隣にいるギョンセ、テギョン、そっちのけで話をしていた。

「楽しかったわ、ミニョちゃん。また、ゆっくり話しましょ。今度は、女ふたりだけでね。」

「はい、私も、楽しかったです。」

ヒヨナとミニョが、抱き合っている。
タクシーが着き、ふたりは、名残惜しそうに離れ、ギョンセとヒヨナが、タクシー乗り込む。

「すっかり、仲良しだな。そんなに、ミニョさんのこと、お気に召したのか?」

「ふふふ・・・だって、ミニョちゃん、本当に、可愛いだもの・・・私の娘になるなんて、本当、嬉しいわ・・・テギョンくんに感謝しなきゃ、ね?テギョンくん、絶対に、ミニョちゃんのこと、何があっても、離しちゃダメよ!!」

「はい、もちろんです。」

「ミニョちゃんも、テギョンくんのこと、よろしくね。テギョンくん、ギョンセさんに似て、色々と、気難しいところもあるけれど、本当は、ヒトに、自分の言葉を伝えるのが、不器用なだけで、本当は、優しいヒトよ。そこんとこ、理解してあげてね・・・」

「はい。」

ミニョが、はにかみながら、テギョンの手をそっと握ると、テギョンもミニョの手を、指を絡めながら、握り返す。

「ふたりとも、元気でね・・・あっ、そうそう、テギョンくん、結婚式の写真送ってね。ミニョちゃんのウェディングドレス姿、見たいから」

「もちろんです。父さんもヒヨナさんも、お元気で。気をつけて・・・」

「えぇ、それじゃ、またね」

走り出すタクシーを、ふたりは、見えなくなるまで、見送っていた。



★★★★