美男2

「最高のパートナー」

*150*


テギョンの父親である、ギョンセが、韓国に戻ってきた。
ギョンセは、毎年、ソウルで、ニューイヤー公演を行っているため、この時期になると、パートナーのヒヨナを連れて、一時帰国をしていた。
テギョンの元には、その公演チケットが2枚、封書で送られていた。

公演当日、テギョンは、ミニョを連れて、コンサートホールに向かう。
世界的に有名な指揮者の公演だけあって、ソウルで一番広いコンサートホールで行われ、客席は、満員だった。
テギョンとミニョは、一般席ではなく、2階の特別席へと案内される。
そこには、すでに、先客が待っていた。

「あら、テギョンくん、お久しぶりね・・・元気だったかしら?」

黒髪のボブスタイルに、深緑のワンピースを着た女性が、ニッコリ微笑みながら、テギョンに抱きつき、両頬にキスをする。

「お久しぶりです、ヒヨナさん。」

抱きつかれるのを嫌がるテギョンが、嫌な顔をせずに、笑顔で受けている。
目の前で繰り広げられる、スキンシップに、ミニョが、目を丸くしながら、呆然と、ふたりの姿を見ていた。

「テギョンくん、そちらのお嬢さんを紹介してくれないかしら?」

ヒヨナが、興味深そうに、ミニョを見つめている。

「婚約者のコ・ミニョです。」

「父さんのパートナーのヒヨナさんだ。」

テギョンが、ミニョの肩を、しっかりと抱き寄せながら、ヒヨナに紹介する。

「あ、あ、あの・・・コ・ミニョと、申します。どうぞ、よろしくお願いします」

勢いよく、深々と、腰を曲げて、頭を下げるミニョに、ヒヨナが、驚いたように目を丸くしたが、すぐに、クスリと笑い出す。

「ふふふ・・・テギョンくん、可愛いらしいお嬢さんね」

にこやかに、ミニョを見つめるヒヨナ。
ヒヨナの言葉に、ミニョは照れたように、頬を、ポッと紅く染めている。

「さぁ、ふたりとも、席について。私は、マエストロのところに、行ってくるわね・・・」

ふたりは、席に座る。

「一応、言っておくが、ヒヨナさんは、外国育ちなんだ。有名なピアニストでもあったから、オレも知っていたが、一番、最初に出会って、突然、抱きつかれたときは、さすがに、驚いたけどな・・・。今は、ピアニストを辞めて、父さんのマネージャーをしている。父さんを公私に渡って、しっかりとサポートしてくれる、一番、信頼出来るパートナーだと思う。」

「すごい方なんですね・・・ヒヨナさん・・・」

感心したように頷く、ミニョ。

公演開始を告げるブザーが、会場内に鳴り響き、ゆっくりと、舞台の幕が開いた。



★★★★

とうとう、150話・・・。

まさか、ここまで続いてしまうとは・・・
(゜Д゜;)(;゜Д゚)(;゚Д゜)

ハナシが、長ったらしく続いてしまい、ホント、すみません・・・。
終わりが見えてきてはいるんですけど、まだ、続くんですよね・・・。
すみませんが、もうちょっと、お付き合いくださいませ・・・。