美男2
「愛の答え」
*148*
ミニョは、柔らかな笑みを浮かべ、ふたりの親子を見つめていた。
そんなミニョの目にも、うっすらと涙が浮かんでいた。
そろそろ、ふたりが、帰る時間になり、席を立ち、ドアの前まで行く。
「今日は、嬉しかったわ。ありがとう・・・。テギョン、これ、早いけど、クリスマスプレゼントよ。気に入ってくれるといいけど・・・」
「・・・ありがとうございます。」
テギョンが、頭を下げ、包みを受け取る。
「ミニョさん・・・ありがとう・・・あなたのおかげで、テギョンに会えたわ・・・」
ファランが、ミニョを見つめた。
「あ、あの・・・私は、何も・・・」
謙遜したように、ミニョは、首を横に振った。
「あなたに、私は、教えられたわ・・・。あのとき、あなたは、私に、「これ以上、テギョンが傷ついて、苦しまないよう、許しを請うべきだ」と言ったわ。
"どうしてそんなこと言うのかしら"って、思ったわ。だって、あなたは、テギョンのことが好きなのに・・。あなたが嫌いな私が、テギョンのそばにいけば、あなたは、テギョンのそばに居づらくなるのに・・・でも、あなたは、私を、真っ直ぐ、見据えて『大切な人を捨てさせるのは、愛ではない』と、言ったわ。
私は、ずっと、私だけに注がれる愛が欲しくて、テギョンをそっちのけで、愛を求めていたわ。でも、ある男性が言ったの。『あなたの気持ちは、愛ではありません。だから、あなたの愛は、受け取れません』と・・・そう、あなたのお父さんよ。あなたに、『大切な人を捨てさせるのは、愛ではない』と言わせたとき、ようやく、20年前の愛について、答えを聞いたわ。
愛は、一方的に、求めるだけではなく、愛を与え、その与えた愛の分だけ、愛されると言うこと。
愛する人の幸せを願い、時に、身を引くことも、愛だと言うことを・・・。
だから、あのとき、あなたは、テギョンの幸せを願い、身を引いたのね・・・。
あなたには、いつも、辛い思いばかり、させてしまったわ・・・本当に、ごめんなさいね・・・。」
ファランが、ミニョを抱き締めた。
暖かく、優しい匂いに包まれ、ミニョは、目を閉じた。
「私は、テギョンの相手が、あなたで、良かったと思っているわ。テギョンとあなたが、幸せでいてくれることが・・・私にとっても、幸せなことよ。どうか、幸せに・・・テギョンを、よろしくね」
「・・・はい、こちらこそ、お願いします。」
ファランは、ミニョの頭を優しく撫で、身体を、そっと離す。
「テギョン、婚約式のドレスは、私が、用意してもいいかしら?」
「はい、お願いします。」
「ふたりとも、元気でね。」
「ファランさんも、お身体をお大事に・・・」
「また、会いに来て。待ってるわ」
ミニョが、ペコリと頭を下げる。
「・・・母さん・・・お元気で。また。」
テギョンの言葉に、ファランが、涙ぐみながら、頷くと、小さく手を振る母の姿を見ながら、テギョンは、ゆっくりと、部屋の扉が閉めた。
★★★★
「愛の答え」
*148*
ミニョは、柔らかな笑みを浮かべ、ふたりの親子を見つめていた。
そんなミニョの目にも、うっすらと涙が浮かんでいた。
そろそろ、ふたりが、帰る時間になり、席を立ち、ドアの前まで行く。
「今日は、嬉しかったわ。ありがとう・・・。テギョン、これ、早いけど、クリスマスプレゼントよ。気に入ってくれるといいけど・・・」
「・・・ありがとうございます。」
テギョンが、頭を下げ、包みを受け取る。
「ミニョさん・・・ありがとう・・・あなたのおかげで、テギョンに会えたわ・・・」
ファランが、ミニョを見つめた。
「あ、あの・・・私は、何も・・・」
謙遜したように、ミニョは、首を横に振った。
「あなたに、私は、教えられたわ・・・。あのとき、あなたは、私に、「これ以上、テギョンが傷ついて、苦しまないよう、許しを請うべきだ」と言ったわ。
"どうしてそんなこと言うのかしら"って、思ったわ。だって、あなたは、テギョンのことが好きなのに・・。あなたが嫌いな私が、テギョンのそばにいけば、あなたは、テギョンのそばに居づらくなるのに・・・でも、あなたは、私を、真っ直ぐ、見据えて『大切な人を捨てさせるのは、愛ではない』と、言ったわ。
私は、ずっと、私だけに注がれる愛が欲しくて、テギョンをそっちのけで、愛を求めていたわ。でも、ある男性が言ったの。『あなたの気持ちは、愛ではありません。だから、あなたの愛は、受け取れません』と・・・そう、あなたのお父さんよ。あなたに、『大切な人を捨てさせるのは、愛ではない』と言わせたとき、ようやく、20年前の愛について、答えを聞いたわ。
愛は、一方的に、求めるだけではなく、愛を与え、その与えた愛の分だけ、愛されると言うこと。
愛する人の幸せを願い、時に、身を引くことも、愛だと言うことを・・・。
だから、あのとき、あなたは、テギョンの幸せを願い、身を引いたのね・・・。
あなたには、いつも、辛い思いばかり、させてしまったわ・・・本当に、ごめんなさいね・・・。」
ファランが、ミニョを抱き締めた。
暖かく、優しい匂いに包まれ、ミニョは、目を閉じた。
「私は、テギョンの相手が、あなたで、良かったと思っているわ。テギョンとあなたが、幸せでいてくれることが・・・私にとっても、幸せなことよ。どうか、幸せに・・・テギョンを、よろしくね」
「・・・はい、こちらこそ、お願いします。」
ファランは、ミニョの頭を優しく撫で、身体を、そっと離す。
「テギョン、婚約式のドレスは、私が、用意してもいいかしら?」
「はい、お願いします。」
「ふたりとも、元気でね。」
「ファランさんも、お身体をお大事に・・・」
「また、会いに来て。待ってるわ」
ミニョが、ペコリと頭を下げる。
「・・・母さん・・・お元気で。また。」
テギョンの言葉に、ファランが、涙ぐみながら、頷くと、小さく手を振る母の姿を見ながら、テギョンは、ゆっくりと、部屋の扉が閉めた。
★★★★