美男2

「どうか、お幸せに・・・」

*143*


"やっぱりな・・・"

愁いの目をしたシヌ。
それでも、平静を装うと、ミニョに声を掛ける。

「おめでとう・・・ミニョ」

「ありがとうございます、シヌヒョン。」

シヌが、ミニョの肩を優しく叩く。
少し、照れたように、はにかんでいるミニョ。
幸せそうなミニョの姿に、まだ、シヌの胸が、チクッと痛むのを感じる。

"・・・この痛みも、いずれは、消えることだろう・・・。
今は、ミニョの幸せを祈って、笑っていたい・・・"

シヌは、寂しさを隠し、笑っていた。

そして、ミニョに恋をしていた男が、もう、ひとり・・・。

「おめでとう!!ミニョ!!テギョンヒョン!!!
ミニョが結婚するのは、やっぱり・・・寂しい気もするけど、相手が、テギョンヒョンなら、いいや。オレが、一番、リスペクトしているヒトだし・・・
でも、もし、テギョンヒョンが、ミニョを泣かせて、傷付けるようなことがあったら、オレ、テギョンヒョンのこと、大っキライになるからね!!」

「あぁ・・・わかった」

テギョンが、柔らかな笑みを浮かべた。
ジェルミが、驚いたように目を丸くすると、すぐに、目を細める。

"テギョンヒョンって、やっぱり、ミニョに会ってから変わったな・・・。
なんか、丸くなったというか・・・人間味が増したというか・・・
相変わらず、オレやミナムに厳しいとこや、音楽や仕事に対して、ストイックな部分は、変わらないけど・・・
ミニョと一緒にいるときの雰囲気が、柔らかいというか・・・テギョンヒョンも、ミニョといて、幸せなんだろうな・・・って思う。
ミニョだって、いつも、リンゴみたいな赤いほっぺしながら、テギョンヒョン、見つめているし・・・なんだろう、悔しいけど、入る隙がない。
ミニョのことは、今も、大スキだけど、これは、恋とかじゃなくて、きっと、家族の愛みたいなんだろうな・・・。
テギョンヒョンもスキだし、ミニョも大スキだから、ふたりが、幸せになれるように、オレは、ずっと、応援しているから・・・。あっ、もちろん、ふたりがケンカしたら、ミニョの味方になるけどね・・・ククク
やっぱり、ミニョの笑顔は、見てたいからね・・・"

「それじゃあ、ミナム、ミニョの誕生日と、テギョンヒョンとミニョの結婚を祝って、もう一度、乾~~杯!!!」

ジェルミが、満面の笑みを浮かべると、大声をあげ、グラスを掲げた。



★★★★