美男2

「溢れる想い」

*126*


「あぁぁぁぁっ・・・!!!!!」

気分良く、シャワーを浴び、バスタオルで身体を拭いていたテギョンにも、その奇声は、聞こえていた。

"朝から、騒がしいヤツだな・・・"

テギョンは、フッと可笑しそうに笑うと、バスローブを羽織り、ベッドルームの様子を見に行く。

上掛けの中、モゾモゾと動く物体。
ブツブツと何かを呟きながら、起きたかと思えば、また、パタリとベッドに沈んでしまう。

「・・・・・どうしよう」

ミニョの困り果てたような声に、壁に凭れていたテギョンの身体が動き出した。

「おい、ミニョ、起きたのか?」

テギョンの声に、気付いたミニョ。

「きゃっっ!!??・・・こっち、来ないで!!・・・み、見ないでください!!!」

まだ、何も身につけていないことが恥ずかしく、テギョンには、絶対に見られたくない、ミニョは、慌てたように、上掛けごと、モゾモゾとベッドの端まで転がり、そして、ベッドの脇に落ちてしまう。

「・・・ったく、大丈夫か?」

テギョンは、ミニョに拒絶されたことに、軽くショックを受けながらも、ベッドの下に落ちたミニョを上に、抱き上げる。

「あ、あ、あの・・・・・」

テギョンの膝の上に、横抱きされてしまったミニョは、顔を、茹でタコのように、真っ赤にさせ、上掛けをギュッと握りしめ、擦れてしまうのを、必死に押さえている。
恥じらうミニョの姿が、かわいいと思いながらも、からかいたくなってしまったテギョンが、意地悪そうにニヤリと笑った。

「ククク・・・何を、今さら・・・。もう、隠す必要なんか、ないだろ?昨日、オレは、お前の"すべて"を、見たんだぞ・・・」

楽しそうに、笑っているテギョンに、ミニョが、恨めしそうに、テギョンを見上げ、口を尖らせる。

「うぅぅ・・・オッパの・・・バカぁ・・・イジワル・・・」

子どものように、プクッと頬を膨らませ、いじけたように、ぷいと横を向いてしまうミニョ。

クスクス笑いながら、テギョンは、膨れたミニョの頬に、チュッとキスをすると、ミニョの耳が、すぐに、真っ赤に染まる。

昨日以上に、いとおしさが増しているのを感じる、テギョン。

「サランへ、ミニョ」

ミニョの耳元で囁きながら、ギュッと、ミニョを抱き締めた。



☆★★☆