美男2

「愛された記憶」

*125*


テギョンが、バスルームに入った音で、ミニョが、身動ぎながら、目を覚ました。

「ん・・・・・寒っ」

肌寒さを感じ、上掛けの中に、潜り込む。
それでも、まだ、心許ない感じがして、自分の身体を抱き締めるように、胸の前で、腕を交差させる。

「ん・・・・・あれ・・・?」

触れるのは、自分の素肌で・・着ているはずのモノが・・・

「・・・・・・・・ない。」

一気に、覚醒したミニョは、慌てて、頭まで潜り込んで、身体を確認する。

「えっ・・・ウソ・・・・・」

何も着ていない自分の身体に、無数の紅い痕がついているのを確認し、それから、ゆっくりと、昨日の記憶を思い出していく。

『オレは・・・お前のカラダを求めてるんじゃない、お前自身を、求めてるんだ・・・』

『一緒だな・・・オレも、嬉しくて、胸が、いっぱいだ・・・』

『わかるか・・・?こんな気持ち、初めてだ・・・・・』

『サランへ・・・ミニョ・・・』


「あぁぁぁぁっ・・・!!!!!」

ミニョは、昨日のことを、思い出し、顔を、真っ赤にしながら、上掛けの中に、頭まで、すっぽりと潜り込んでしまう。

"思い・・・出しちゃった・・・そうだ・・・私・・・昨日・・・オッパと・・・・・"

記憶は、時折、途切れてたかもしれない、けれど、確かに、自分を見つめる、テギョンの切ない瞳や、抱き合ったときに感じた、自分とは違う硬質の、汗ばんだ熱い肌を、覚えていた。

「そ、そうだ・・・先に、服、服、着ないと」

ミニョは、上掛けを纏いながら、モゾモゾと、身体を起こそうとするのに、全く、力が入らないことに気付く。

「えっ・・・どうしちゃったの・・・?・・・私の身体・・・」

自分の身体の異変に戸惑っているミニョ。

そんな、ミニョの様子を、バスルームから出てきた、テギョンが、壁に寄りかかり、口に、拳をあてながら、見ていた。



★★★☆