美男2

「いとおしい存在」

*118*


"お前の望みどおりに、してやるよ"

意地悪そうに、ニヤリと笑うテギョンに、良からぬ予感がしたミニョは、慌てたように、剥がされた上掛けに手を伸ばした。

「おい、今さら、逃げれると思うなよ、ブタウサギ」

いち早く、それに気付いたテギョンが、ミニョの手を掴むと、ミニョの顔の横に、その手を押さえつけた。
両手を押さえられ、身動きがとれないミニョの目が、恐怖で潤み、キョロキョロと動いている。
ミニョの身体が、震え、強張っていくのを感じたテギョンは、優しく、ミニョの名前を囁きながら、ミニョの額に、触れるだけのキスを落とした。
キュッと目を瞑ったミニョの目から、溜まっていた涙が、頬に流れ落ちた。

「怖いか…?」

少し、性急しすぎたのか、反省したテギョンは、目を伏せながら、ミニョを掴んでいた手を離そうとした。

「あ、あ、だ、だ、大丈夫・・です。ちょ、ちょっとだけ、ビックリしたというか……すみません」

頬を真っ赤にさせ、目を潤ませながら、ミニョが、テギョンの手を、ギュッと握っていた。
フッと、小さく笑ったテギョン。
恥じらいながらも、懸命に、自分に、気を遣っているミニョに、なんというか、いじらしくも、いとおしく感じていた。
テギョンは、指を絡ませると、ミニョの手を強く握り返した。

「……サランヘ、ミニョ」



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