美男2

「…お前のせい」

*117*


「オッパから、離れたくないんです……」

テギョンの頭の中で、何度も、ミニョの言葉が、リピートされる。
ついつい、嬉しくて、だらしなく、口元が弛んでしまうのと同時に、何かが、ガラガラと、音を立てて、崩壊していく。

"ハァァァ……"

それが、何かと気付いたテギョンは、額に手を当て、大袈裟に、ため息を吐いた。

"あぁぁぁ!!!……もう、ダメだ。限界だ……!!!"

「……おい、ミニョ」

テギョンが、ミニョが被っている上掛けを、勢いよく剥ぎ取ると、ミニョは、膝を抱え、小さく縮こまっていた。
頬には、涙の筋の跡が残っていた。

「……あっ…ご、ごめんなさい、ごめんなさい…すみません……でした」

謝ってばかりのミニョに、テギョンが、苦笑いを浮かべた。

「ハァ…全く、お前って、ヤツは……事故ばかり、起こしやがって……こっちは、必死で、抑えて、我慢していたのに……どうしてくれるんだよ!!お前のせいだぞ!!」

また、謝るため、ミニョが口を開いた瞬間、テギョンの唇が、ミニョの唇を覆った。

「んっ…!?……っ……」

最初は、優しく啄むような、甘い口づけから、角度を変えながら、息も出来ないような、激しい口づけへと、変わっていく。

「ん……ふっ・・・…ん」

ひとしきり、ミニョの唇を堪能した、テギョンの唇が、リップ音とともに、離れていく。
テギョンは、コツンと額を合わせたまま、ミニョの紅潮した頬に、優しく触れながら、ミニョを見つめていた。

「……お前のせいだぞ」

テギョンが、ミニョをギュッと抱き締め、苦しそうな、切なそうな声でつぶやく。

「お前が、可愛いこと言うから、いけないんだぞ…」

「えっ……?……あ、あ、あの……」

ミニョは、困ったように、視線をキョロキョロと泳がせる。

「オレから、離れたくないんだろ?……だから、お前の望みどおりに、してやるよ」

テギョンが、意地悪そうに、口角をあげ、ニヤリと笑った。



☆☆☆★