美男2
「山登り」
*110*
お母さんのお墓がある山に、車が入っていく。山奥に入っていくと、車で通るには、山道が狭くなってきたので、車を停め、あとは、歩きで、山を登っていく。
赤や茶や黄色の落ち葉を踏みしめながら、ゆっくりと登っていく。顔を上げると、少し前を行くテギョンさんの背中が見える。
黒い革靴で、登りにくそうに思えたのに…
よく見れば、テギョンさんは、山登りには不釣り合いな格好をしていた。
黒いジャケットに、グレーの薄手のニット、黒いスキニーパンツ姿。
首を傾げながら、ぼんやりと、テギョンさんを見ていたら、木の根っこに気付かず、足元を捉えられ、転びそうになり、声を上げた。
「きゃっ!?」
地面に膝をついて、転んでしまう。
「…ったく、お前、よそ見してたんだろ?だから、転ぶんだよ。」
テギョンさんが、口を尖らしながら、私の元にやってくると、私の腕を引っ張り上げ、立たせてくれた。
「ケガは?どこか、痛くないか?」
テギョンさんが、しゃがみながら、私の脚についた落ち葉を払い、心配そうに、私の顔を見上げる。
「すみません…大丈夫です」
「行くか?」
「はい」
「ったく、お前は、すぐに、事故起こすんだから、注意を、怠るなよ…」
テギョンさんは、呆れたような声を出しながらも、私の手を、優しく、ギュッと握ってくれる。
私のペースに合わせて、ゆっくりと、歩調を合わせながら、私たちは、山を登った。
そして、墓地に着いた。
お墓は、土で、小さな山が盛られている。その前には、墓標が立ち、そこで永眠(ねむ)る人の名前が記されている。
その山がいくつかあり、お母さんの名前を探しながら歩いていると、テギョンさんの足が止まった。
「…あったぞ」
『イ・スジン』
だいぶ、雨や風化で名前が消えかけているけど、それは、確かに、お母さんの名前だった。
★☆★☆
韓国のお墓のことですが、ネットで、簡単にしか調べていないので、間違っていたら、すみません。
☆ちなみに、ミニョの格好のイメージは、ドラマでお父さんのお墓参りをしたときのような格好しています。
「山登り」
*110*
お母さんのお墓がある山に、車が入っていく。山奥に入っていくと、車で通るには、山道が狭くなってきたので、車を停め、あとは、歩きで、山を登っていく。
赤や茶や黄色の落ち葉を踏みしめながら、ゆっくりと登っていく。顔を上げると、少し前を行くテギョンさんの背中が見える。
黒い革靴で、登りにくそうに思えたのに…
よく見れば、テギョンさんは、山登りには不釣り合いな格好をしていた。
黒いジャケットに、グレーの薄手のニット、黒いスキニーパンツ姿。
首を傾げながら、ぼんやりと、テギョンさんを見ていたら、木の根っこに気付かず、足元を捉えられ、転びそうになり、声を上げた。
「きゃっ!?」
地面に膝をついて、転んでしまう。
「…ったく、お前、よそ見してたんだろ?だから、転ぶんだよ。」
テギョンさんが、口を尖らしながら、私の元にやってくると、私の腕を引っ張り上げ、立たせてくれた。
「ケガは?どこか、痛くないか?」
テギョンさんが、しゃがみながら、私の脚についた落ち葉を払い、心配そうに、私の顔を見上げる。
「すみません…大丈夫です」
「行くか?」
「はい」
「ったく、お前は、すぐに、事故起こすんだから、注意を、怠るなよ…」
テギョンさんは、呆れたような声を出しながらも、私の手を、優しく、ギュッと握ってくれる。
私のペースに合わせて、ゆっくりと、歩調を合わせながら、私たちは、山を登った。
そして、墓地に着いた。
お墓は、土で、小さな山が盛られている。その前には、墓標が立ち、そこで永眠(ねむ)る人の名前が記されている。
その山がいくつかあり、お母さんの名前を探しながら歩いていると、テギョンさんの足が止まった。
「…あったぞ」
『イ・スジン』
だいぶ、雨や風化で名前が消えかけているけど、それは、確かに、お母さんの名前だった。
★☆★☆
韓国のお墓のことですが、ネットで、簡単にしか調べていないので、間違っていたら、すみません。
☆ちなみに、ミニョの格好のイメージは、ドラマでお父さんのお墓参りをしたときのような格好しています。