美男2
「罪悪感」
*109*
「…ミニョ」
小さく名前を呼ばれ、ゆっくりと、その顔を見上げる。
そこには、紛れもなく、本物のファン・テギョンさんがいた。
そして、釜山行きの搭乗を知らせるアナウンスが流れ、飛行機に乗り、釜山の空港に着く。
お母さんのお墓は、郊外の方にあるため、レンタカーを借りることにした。
カーナビを頼りに、車を走らせ、途中のパーキングエリアに寄り、休憩をとることにした。
ほとんど、人の姿がなく、テギョンさんも、サングラスを外し、ふたりでベンチに座り、自販機で買ったジュースを飲んだ。
「どうして、お前の母親の墓は、釜山にあるんだ…?」
「お母さんは、釜山の出身なんです。お母さんの両親はすでに亡くなっていて、お墓も釜山にあるそうなんです。……お父さんとお母さんは、結婚もしていなかったので、一緒に並んでお墓を作ることが出来ずにいたんです。お母さんを、ひとり寂しく、ソウルにお墓を作って入れるより、両親の元に入れた方が寂しくないだろうと…お父さんの手記に書いてありました。私たちも、幼いときに、一度、連れて行ったことがあるそうなんですけど、残念ながら、覚えてないんですよね…」
私たちの両親のハナシをすると、テギョンさんの顔色が曇っていくのが、わかる。
テギョンさんは、今も、自分のお母さんがした過ちに、罪悪感を感じ、苦しんでいる。
それは、テギョンさんのせいでは、ないのに…
テギョンさんだって、今でも、充分、苦しんでいるはずなのに…
自分を、責めないでほしい…
私は、テギョンさんの手を、そっと、両手で包むように握ると、首を小さく横に振った。
すぐに、キュッと握り返される、優しくて、あたたかい大きな手を感じる。
「行きましょうか?」
少し明るめに、声を掛ける。
「…あぁ」
そのまま、お互いの手を握ったまま、車に戻り、乗り込むと、目的地を目指した。
☆★☆★
「罪悪感」
*109*
「…ミニョ」
小さく名前を呼ばれ、ゆっくりと、その顔を見上げる。
そこには、紛れもなく、本物のファン・テギョンさんがいた。
そして、釜山行きの搭乗を知らせるアナウンスが流れ、飛行機に乗り、釜山の空港に着く。
お母さんのお墓は、郊外の方にあるため、レンタカーを借りることにした。
カーナビを頼りに、車を走らせ、途中のパーキングエリアに寄り、休憩をとることにした。
ほとんど、人の姿がなく、テギョンさんも、サングラスを外し、ふたりでベンチに座り、自販機で買ったジュースを飲んだ。
「どうして、お前の母親の墓は、釜山にあるんだ…?」
「お母さんは、釜山の出身なんです。お母さんの両親はすでに亡くなっていて、お墓も釜山にあるそうなんです。……お父さんとお母さんは、結婚もしていなかったので、一緒に並んでお墓を作ることが出来ずにいたんです。お母さんを、ひとり寂しく、ソウルにお墓を作って入れるより、両親の元に入れた方が寂しくないだろうと…お父さんの手記に書いてありました。私たちも、幼いときに、一度、連れて行ったことがあるそうなんですけど、残念ながら、覚えてないんですよね…」
私たちの両親のハナシをすると、テギョンさんの顔色が曇っていくのが、わかる。
テギョンさんは、今も、自分のお母さんがした過ちに、罪悪感を感じ、苦しんでいる。
それは、テギョンさんのせいでは、ないのに…
テギョンさんだって、今でも、充分、苦しんでいるはずなのに…
自分を、責めないでほしい…
私は、テギョンさんの手を、そっと、両手で包むように握ると、首を小さく横に振った。
すぐに、キュッと握り返される、優しくて、あたたかい大きな手を感じる。
「行きましょうか?」
少し明るめに、声を掛ける。
「…あぁ」
そのまま、お互いの手を握ったまま、車に戻り、乗り込むと、目的地を目指した。
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