美男2

「母を探して③」

*103*


日曜日、ミジャおばさん家に向かう。

「こんにちは」

「さぁさぁ、入りな」

おばさん以外にも、一緒に暮らしている人がいるらしく、居間には、胡座をかいて化粧している若い女性がいた。

「ミジャおばさん、この娘、誰よ?新しい住人?」

「違うよ、姪っこだよ」

「こんにちは」

「えっ!?じゃ、このコは、A.N.JELLのミナムの妹なの?」

「そうよ」

「確かに、ミナムに似てるかも…ねぇ、ミナムは?ミナムは、一緒じゃないの?」

「すみません、今日は…」

「あんた、仕事は?遅れるよ!!早く、行きな!!」

「さぁ、こっちだよ」

おばさんが、部屋に入っていく。その部屋は、色々と、おばさんの服や物、箱で溢れていた。

「たぶん、この中にあると思うんだけど……」

おばさんが、いくつか、箱を空けていく。

「あれ、どこに仕舞ったんだろうね…」

なかなか、見つからず、首を傾げている。

「ん…?これかな?」

箱の中に、書類やアルバム、何冊かの手帳が入っていた。
アルバムの中を見ると、双子の赤ちゃんの写真が、何枚も収められていた。
そう、私とお兄ちゃん。
初めて見る、自分たちの赤ちゃんのときの写真。
一番最後に、貼ることもなく、挟んである、一枚の写真があった。
カメラに向かって、幸せそうに、ニッコリと微笑んでいる、若い男性と女性の写真。
その、ふたりの顔は、どこか見覚えのある顔だった。

「お父さんと…お母さん」

写真の中のふたりは、本当に幸せそうに見えた。

白い手帳を手に取り、中を見ると、日記だった。
丸っこい女性らしい字、それは、お母さんの日記だった。
日記、私たちが生まれる1日前、1988年11月21日の日付で、止まっていた。

「予定日が過ぎてしまったけど、いつ、生まれるのかしら?明日かしら?ふたりとも、早く、会いたいわ」



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