「美男2」

「妄想」

*87*


ミニョは、床に打ち付けたお尻を擦りながら、部屋を出て行く。
着替えを済ませ、キッチンに向かう。

「ミニョ~、お腹、空いたよぉ…!!!」

腹ペコのジェルミが、リビングのラグに転がっていた。

「ジェルミ、ごめんなさい。何が、食べたいですか?」

「フレンチトーストが食べたい!!」

「わかりました」

キッチンで、朝ごはんの仕度をするミニョを見つめながら、頬を弛ませているジェルミ。

"やった!!ミニョ、独り占め!!しかも、このシチュエーション、なんか、新婚さんみたいだぁ!!"

ぐふふ……と笑いながら、ミニョを、もっと近くで見ようと、ジェルミがカウンターに座る。

"ん…あれ…?"

髪を結ったミニョの首筋に、紅い痕……。

"虫に、刺された…?でも、季節って、そろそろ冬だよね…まさか…

テギョン『なぁ、もう、いいだろ?』

テギョンが、自分の着ているバスローブの胸元を肌蹴させている。

ミニョ『はい、優しくしてくださいね、テギョンさん…じゃなくて、オッパぁ』

ベッドの上には、ミニョが寝ている。うっとりと、テギョンを見つめている。

テギョン「あぁ、もちろんだ。愛してるよ、ミニョ」

ミニョ「私も、愛してます。オッパぁ」

テギョンが、バスローブをバサッと脱ぎ捨て、ミニョの上に覆い被さる。

ミニョ「いや……あ…ん」

"えっ!?…ウソ……いや、ミニョ、ダメ……あぁぁぁ!!ヒョーン!!ダメ!!まだ、ダメ!!"

頬を両手で挟み、ブルブルと首を振り、自分の妄想に、もがいてしまっているジェルミ。

「大丈夫ですか、ジェルミ?」

心配そうなミニョの声に、ハッと我に返るジェルミ。

「出来ましたよ、フレンチトーストとミックスジュース」

ミニョが、ニコッと微笑みながら、ジェルミの前に、トレイを差し出す。

「あ、あ、ありがとう」

ジェルミは、とりあえず、ミックスジュースを一気飲みする。

「うん、おいしい!!」

「良かったです」

「ねぇ、ミニョ、まさか、昨日の夜って……」

「はい?」

相変わらず、無垢な笑顔を向けるミニョ。
敢えて、聞くのも、なんだか、バカらしくなり、ジェルミは、首を横に振り、話題を変えた。

「ううん、なんでもない。そうだ、そう言えば、今日の芸能ニュース、スゴイだよ!!」



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