「美男2」

「男子トーーク」

*80*


「……ファン・テギョンssi…ほ、本物……」

ミヌは、驚いて、目を丸くしながら、テギョンを見ている。
ミヌを見ていた、テギョンの視線が、ミヌの手に。ミヌの手は、まだ、ミニョの手首を掴んだまま。
気に入らない、とでも言うように、口を尖らし、左右に動かす。

「あ、すみません」

テギョンの視線に気付き、慌てて、ミヌが、掴んでいたミニョの手首を離した。。威圧的なテギョンの態度に、ミヌは、たじろいでしまう。
困ったように、目をキョロキョロと泳がせているミニョ。
テギョンは、有無を言わさず、ミニョの手を引っ掴むと、そのまま、出口に向かって、歩き出す。
何も言えず、ただ、呆然と、ふたりの後ろ姿を見送るしかないミヌ。
そんなミヌの肩を、誰かが、トントン叩いた。

「ミヌ!!お前も招待されてたんだ!!」

「あ、ミ、ミナム」

ジェルミ「あれ?さっきまで、ミニョがいたんだけど、何処にいったんだ…?それに、ヒョンもいない…。」

シヌ「ミナムの知り合いか?」

ミナムに続いて、ジェルミ、シヌも戻ってくる。
ジェルミは、キョロキョロと、ふたりの姿を探している。

「あぁ、オレのダチ。ソン・ミヌ」

ミヌの肩を抱くミナム。

「ソン・ミヌです」

シヌに、ペコリと頭を下げる。

「ジェルミssi、ミニョなら、ファン・テギョンssiに連れられて、出口に向かいましたよ」

「えっ、そうなの。残念。ミヌって、ミナムの同級生だよね。呼び捨てでいいよ。」

ニコッと、愛嬌のある笑顔で、ミヌと握手するジェルミ。

シヌ「ミニョと一緒にいたのか?」

「あ、はい、ミニョ、男に絡まれて、困っていたんで、助けたんです。最初は、ミニョとわからず、助けたんですけど…」

シヌ「そういうことね」

撮影の順番待ちをしていたとき、テギョンは、ずっと、顔をしかめながら、ある方向を見ていた。
その視線の先は、大体、見なくても、見当がついていた。
ひとり、頷いて、納得するシヌ。

ジェルミ「何が?」

シヌ「テギョンなら、戻ってこないってこと」

ジェルミ「ねぇ、そう言えば、さっき、チェ・ガインssiとの撮影のとき、ヒョン、危うく、キレそうだったよね。」

シヌ「余程、腹に立ったんだろうな。チェ・ガインssiに…」

ミナム「あのオンナ、オレ、キライ。」

ジェルミ「えっ!?意外!!ミナムがスキそうなタイプじゃん。胸だって、こう…」

ジェルミが、胸元に手を当て、膨らみをつくる。

ミナム「まぁ、カラダは、好みだけど、性格が、めんどくさそうじゃん。裏表あるカンジ。」

ジェルミ、シヌ「(いやいや、ミナム、ユ・ヘイだって、例外ではないと思うよ。あの裏表の激しさ、どうよ?それは、いいのかい?)」

ふたりして、声を大にしてツッコミたかったことでしょう、そう、恋は、まさに、盲目…。
ミナムにツッコミたがるふたりをよそに、ミヌは、ひとり、先ほど、テギョンを見つめていた、ミニョの淋しそうな横顔を思い出し、チクッと、胸が痛んだ。



☆☆☆☆

80話まできましたが、ただいま、迷走中です。グルグルと同じトコを回ってしまって、終わりが見えません。どうしませう………(≧σ≦)一体、いつになったら、ハナシが終わりに向かうのかしら…(;´д`)