「美男2」
「大変身」
*70*
レセプションパーティー当日。
夕方、テギョンは、メンバーより一足早く、ミニョを車に乗せ、出掛けてしまう。
「どこに、行くのですか?」
まだ、パーティーに行くことさえ知らされていないミニョは、首を傾げていた。
テギョンは、ミニョを美容院へと連れていく。
「テギョン、待ってたわよ。」
美容院で待っていたのは、ワンコーディーだった。
「頼んだぞ」
ミニョをワンに引き渡すと、テギョンも準備に取りかかる。
パーティーに相応しい、黒いシックなスーツに着替えたテギョンは、スツールに腰掛け、ミニョを待った。
「お待たせ、出来たわよ」
1時間くらい待ったのか、ようやく、ミニョの準備が整う。
奥のフィッティングルームのカーテンから、ミニョより先に出てきたワンコーディーは、満足そうに、笑っている。
カツン、カツン、と、ヒールの音を鳴らしながら、ミニョが、奥から出てきた。ヒールの音に、テギョンが気付き、顔を、ミニョに向ける。
ミニョの姿に、テギョンの目が見開く。
一瞬、ミニョだとわからないくらいの、その変貌に、驚いていた。
「どう?ご要望には、応えられたかしら?」
テギョンは、何も言えず、椅子から立ち上がり、ミニョの前まで行くと、満足そうに、上から下までを眺めた。
"想像以上に、上出来だ"
テギョンが、自然と、弛んでしまう口元を、拳で隠した。
エクステを使い、胸下まで伸ばされた長い髪は、ウェーブがかかっている。メイクも、いつも以上に、濃いめに仕上げ、黒のベアトップのミニドレス、スパンコールがついた黒のハイヒールを履いている。
『ミニョだと、わからないような格好にしてくれ』
それが、テギョンが、ワンコーディーに出した要望だった。見た目だけでも、普段のミニョから懸け離してしまえば、ミニョが、公になってしまっても、マスコミから追われることはないと、テギョンは考えていた。
どんなに着飾っても、ミニョは、ミニョだった。中身は、相変わらずのまま…。着なれない格好をしているせいか、かなり、緊張をしている。落ち着かないのか、目をキョロキョロと、忙しなく動かしていた。
外見と、ギャップがある仕草をするミニョに、テギョンが、可笑しそうに、フッと笑いながらも、ミニョの前に、腕を差し出した。
何を意味しているのか、わからないミニョは、困ったように、テギョンを見上げた。
テギョンは、ミニョの手を掴むと、自分の腕に絡ませ、そのまま、歩きだす。
「ありがとう、ワンコーディー」
珍しくお礼を言うテギョンに、ワンコーディーが、一瞬、驚きながらも、ふたりの後ろ姿を、満足そうな笑顔で、見送っていた。
★★★★
「大変身」
*70*
レセプションパーティー当日。
夕方、テギョンは、メンバーより一足早く、ミニョを車に乗せ、出掛けてしまう。
「どこに、行くのですか?」
まだ、パーティーに行くことさえ知らされていないミニョは、首を傾げていた。
テギョンは、ミニョを美容院へと連れていく。
「テギョン、待ってたわよ。」
美容院で待っていたのは、ワンコーディーだった。
「頼んだぞ」
ミニョをワンに引き渡すと、テギョンも準備に取りかかる。
パーティーに相応しい、黒いシックなスーツに着替えたテギョンは、スツールに腰掛け、ミニョを待った。
「お待たせ、出来たわよ」
1時間くらい待ったのか、ようやく、ミニョの準備が整う。
奥のフィッティングルームのカーテンから、ミニョより先に出てきたワンコーディーは、満足そうに、笑っている。
カツン、カツン、と、ヒールの音を鳴らしながら、ミニョが、奥から出てきた。ヒールの音に、テギョンが気付き、顔を、ミニョに向ける。
ミニョの姿に、テギョンの目が見開く。
一瞬、ミニョだとわからないくらいの、その変貌に、驚いていた。
「どう?ご要望には、応えられたかしら?」
テギョンは、何も言えず、椅子から立ち上がり、ミニョの前まで行くと、満足そうに、上から下までを眺めた。
"想像以上に、上出来だ"
テギョンが、自然と、弛んでしまう口元を、拳で隠した。
エクステを使い、胸下まで伸ばされた長い髪は、ウェーブがかかっている。メイクも、いつも以上に、濃いめに仕上げ、黒のベアトップのミニドレス、スパンコールがついた黒のハイヒールを履いている。
『ミニョだと、わからないような格好にしてくれ』
それが、テギョンが、ワンコーディーに出した要望だった。見た目だけでも、普段のミニョから懸け離してしまえば、ミニョが、公になってしまっても、マスコミから追われることはないと、テギョンは考えていた。
どんなに着飾っても、ミニョは、ミニョだった。中身は、相変わらずのまま…。着なれない格好をしているせいか、かなり、緊張をしている。落ち着かないのか、目をキョロキョロと、忙しなく動かしていた。
外見と、ギャップがある仕草をするミニョに、テギョンが、可笑しそうに、フッと笑いながらも、ミニョの前に、腕を差し出した。
何を意味しているのか、わからないミニョは、困ったように、テギョンを見上げた。
テギョンは、ミニョの手を掴むと、自分の腕に絡ませ、そのまま、歩きだす。
「ありがとう、ワンコーディー」
珍しくお礼を言うテギョンに、ワンコーディーが、一瞬、驚きながらも、ふたりの後ろ姿を、満足そうな笑顔で、見送っていた。
★★★★