「美男2」

「新たな出会い」

*63*


ミニョは、バスに乗り、仕事場であるボランティア団体の建物に到着する。

緊張した面持ちのミニョは、意を決して、中に入り、事務室のドアを叩いた。

「失礼します」

ペコリと頭を下げ、中に入るミニョ。

「あ、あの…今度、お世話になります、コ・ミニョと申します。よろしくお願いいたします。」

深々と頭を下げるミニョ。

「あぁ、シスター・サラから、話は聞いているわ。アフリカでボランティアしていたのよね」

「はい」

「私は、キム・セヨンよ。よろしくね」

ニコッと笑いながら、手を差し出すセヨン。長い黒髪を後ろでひとつに結って、白いシャツの袖を捲り、グレーのパンツ姿。いかにも、仕事が出来そうな、キャリアウーマンみたいな感じの女性だ。

「よろしくお願いいたします。」

握手をするふたり。

「私以外にも、何人かボランティアスタッフがいるんだけど、今日は、イベントに行っているの。」

「そうなんですか…」

「ねぇ、あなた、今、時間ある?」

「はい、大丈夫です」

「片付けをしているんだけど、ひとりだから、なかなか終わらなくて…」

よく見れば、机には、たくさんの書類と段ボールの箱が置かれていた。

「はい、手伝います」

ミニョも、ショルダーバッグを置き、上着を脱ぐと、袖を腕捲りをした。

2時間後、片付けを終え、セヨンが、コーヒーの入ったカップをふたつ持ってくる。
ひとつを、ミニョに手渡す。

「はい、どうぞ。で、ミニョは、今まで、何をしていたの?」

「あ、ありがとうございます。シスターの見習いです。私、お兄ちゃんとふたりで、修道院の孤児院で育ってるんです。」

「そうなんだ…あっ、ごめん、私、ミニョに、辛かったことを思い出させちゃったかも……」

ミニョは、ゆるゆる首を横に振り、笑う。

「大丈夫です。」

「なんで、シスターを辞めちゃったわけ…?」

「そ、それは、色々と、諸事情により…」

答えに困ってしまい、しどろもどろになってしまうミニョ。

「まぁ、そうよね。色々とあるわよね。」

ニコッと笑い、"大丈夫"と、ミニョの肩を叩くセヨン。
ふと、セヨンが時計を見ると、椅子から慌てて、立ち上がった。

「あっ、いけない。幼稚園のお迎えに行かないと…悪いけど、ミニョ、また明日ね」

「はい、幼稚園ですか?」

「そう、私、娘がいるの。シングルマザーだけどね」

「そう、なんですか…」

「じゃ、明日から、よろしくね」

「よろしくお願いします。」

ミニョが、ペコリと頭を下げ、出ていく。
外に出てから、ミニョは、ミナムに電話をする。

「終わったよ、お兄ちゃん。どこで待ってればいい?……うん、わかった。待ってるね」

ミニョが、待ち合わせの場所に行き、待っていると、ミニョの前に、一台の車が止まった。



★★★★

新キャラクター登場です。
"キム・セヨン"
性格は、あっさり、サバサバとした感じですかね。ワンコーディーみたいな、ミニョにとって、頼れる姉さんになってくれるでしょうね。(^o^)