「美男2」
「友との再会」
*55*
ミニョは、ミナムに連れられて、ある店を訪れていた。
そこは、高級レストランでもなければ、オシャレなカフェレストランでもない。道端に並んでいる、一軒の屋台だった。
ビニールのカーテンに覆われ、料理を作る美味しそうなニオイ、酒を酌み交わす楽しそうな笑い声や話し声がするが、若者の姿はなかったので、ミナムがいても、騒がれることもなかった。
「もう少ししたら、ミヌも来るはずだから」
狭い厨房では、店主のおばさんが、ひとり、忙しそうに、料理を作っている。所狭しに、物が置いてあり、ちょっと、ごたついているようにも見えるが、かえって、そこに、馴染みを感じて、落ち着く雰囲気の店だった。
"きっと、潔癖のテギョンさんが、この場所を訪れたら、口を尖らして、嫌がるだろうな…"
そんな、テギョンの姿が、ふと、思い浮かび、クスッと笑うミニョだったが、すぐに、思い出したくもないことが浮かんでしまい、ミニョの顔から、笑顔が消え、顔を曇らせた。
ミナムは、横に座っているミニョが俯いてしまっているのを、チラリと横目で見ると、困ったように、小さくため息を漏らした。
特に、ふたりの間に会話もなく、ただ、店の中で、待っていると、外から、ひとり客が入ってくる。
「あっ、ミニョ!!……おっ!!ミナム!!久し振りだなぁ!!」
双子を見て、満面の笑みを浮かべる長身の青年。
「よっ!!ミヌ!!お前、デカくなり過ぎじゃないか?」
「アハハ、ミナムは、相変わらず、ちっこいままだな(笑)」
冗談を交わしながら、ミナムとがっちりと握手をし、抱き合って喜ぶミヌ。
そのふたりの姿を、ミニョが、懐かしそうに微笑んでいた。
適当に料理と酒を注文をすると、先に、酒が運ばれてくる。
「久々の再会に!!カンパイ!!」
一気に焼酎を飲み干す、ミナムとミヌ。
「くぅーー!!ウマイ!!」
顔色を全く変えず、笑っているミナム。
「おっ!!ミナム、お前、強いなぁ!!」
ミナムの酒豪ぶりに、感心しているミヌ。
一方、ミニョは、少ししか飲んでいないにも関わらず、すでに、顔を赤くしている。
「ミニョ、お前は、これ以上、飲むなよ!!」
ミナムが、ミニョのグラスを取り上げた。
「ミニョは、全く、飲めないんだな?」
「飲めないことは、ない。たぶん、飲み慣れてないんだと思う。あと、悪酔いするらしいから…それと、口うるさいのがいるから…飲ませたら、こっちが、怒られる」
不機嫌そうに、口を尖らすミナム。
「まさか、ミニョのカレシ…?」
「そう、オレは、認めてないけど…あんな高慢ちき、どこがいいんだろう?潔癖だし、俺様だし、態度デカイし、うるさいし、良いとこ、全然ないじゃんか!!前なんか、練習中に、一音だけ、間違っただけなのに、目を三角にして、怒りやがったんだぜ…!!」
鬼がいないことをいい理由に、いつもは、絶対に言えない文句を言いながら、酒を飲んでいるミナム。
ミヌは、ひとりの人物が、頭に浮かんでいる。
「ミニョのカレシって…まさか、ファン・テギョン!!??えぇぇぇぇ…!!!」
ミヌは、慌てて、口を塞ぐ。
"カレシいるとは、思ったけど、まさか、あのファン・テギョンなんて……"
「ミヌ、お前、知らなかったのか?アイツ、一年前くらいに、コンサートで告白して、話題になったんだぜ!!」
「あぁ…その頃、アフリカにボランティアに行かされてたから、知らなかったんだよ。アイドルなんて、興味なかったし…まさか、ミナムが、アイドルになってるとは思ってなかったけどな…」
「オレだって、ミヌが、モデルになってるとは思ってなかったぞ」
アハハと楽しそうな笑い声。久々の再会で、弾む会話。
ミニョのバッグに入った携帯が、何回もコールを鳴らしていたのを、ミニョが知ることはなかった。
★★☆☆
「友との再会」
*55*
ミニョは、ミナムに連れられて、ある店を訪れていた。
そこは、高級レストランでもなければ、オシャレなカフェレストランでもない。道端に並んでいる、一軒の屋台だった。
ビニールのカーテンに覆われ、料理を作る美味しそうなニオイ、酒を酌み交わす楽しそうな笑い声や話し声がするが、若者の姿はなかったので、ミナムがいても、騒がれることもなかった。
「もう少ししたら、ミヌも来るはずだから」
狭い厨房では、店主のおばさんが、ひとり、忙しそうに、料理を作っている。所狭しに、物が置いてあり、ちょっと、ごたついているようにも見えるが、かえって、そこに、馴染みを感じて、落ち着く雰囲気の店だった。
"きっと、潔癖のテギョンさんが、この場所を訪れたら、口を尖らして、嫌がるだろうな…"
そんな、テギョンの姿が、ふと、思い浮かび、クスッと笑うミニョだったが、すぐに、思い出したくもないことが浮かんでしまい、ミニョの顔から、笑顔が消え、顔を曇らせた。
ミナムは、横に座っているミニョが俯いてしまっているのを、チラリと横目で見ると、困ったように、小さくため息を漏らした。
特に、ふたりの間に会話もなく、ただ、店の中で、待っていると、外から、ひとり客が入ってくる。
「あっ、ミニョ!!……おっ!!ミナム!!久し振りだなぁ!!」
双子を見て、満面の笑みを浮かべる長身の青年。
「よっ!!ミヌ!!お前、デカくなり過ぎじゃないか?」
「アハハ、ミナムは、相変わらず、ちっこいままだな(笑)」
冗談を交わしながら、ミナムとがっちりと握手をし、抱き合って喜ぶミヌ。
そのふたりの姿を、ミニョが、懐かしそうに微笑んでいた。
適当に料理と酒を注文をすると、先に、酒が運ばれてくる。
「久々の再会に!!カンパイ!!」
一気に焼酎を飲み干す、ミナムとミヌ。
「くぅーー!!ウマイ!!」
顔色を全く変えず、笑っているミナム。
「おっ!!ミナム、お前、強いなぁ!!」
ミナムの酒豪ぶりに、感心しているミヌ。
一方、ミニョは、少ししか飲んでいないにも関わらず、すでに、顔を赤くしている。
「ミニョ、お前は、これ以上、飲むなよ!!」
ミナムが、ミニョのグラスを取り上げた。
「ミニョは、全く、飲めないんだな?」
「飲めないことは、ない。たぶん、飲み慣れてないんだと思う。あと、悪酔いするらしいから…それと、口うるさいのがいるから…飲ませたら、こっちが、怒られる」
不機嫌そうに、口を尖らすミナム。
「まさか、ミニョのカレシ…?」
「そう、オレは、認めてないけど…あんな高慢ちき、どこがいいんだろう?潔癖だし、俺様だし、態度デカイし、うるさいし、良いとこ、全然ないじゃんか!!前なんか、練習中に、一音だけ、間違っただけなのに、目を三角にして、怒りやがったんだぜ…!!」
鬼がいないことをいい理由に、いつもは、絶対に言えない文句を言いながら、酒を飲んでいるミナム。
ミヌは、ひとりの人物が、頭に浮かんでいる。
「ミニョのカレシって…まさか、ファン・テギョン!!??えぇぇぇぇ…!!!」
ミヌは、慌てて、口を塞ぐ。
"カレシいるとは、思ったけど、まさか、あのファン・テギョンなんて……"
「ミヌ、お前、知らなかったのか?アイツ、一年前くらいに、コンサートで告白して、話題になったんだぜ!!」
「あぁ…その頃、アフリカにボランティアに行かされてたから、知らなかったんだよ。アイドルなんて、興味なかったし…まさか、ミナムが、アイドルになってるとは思ってなかったけどな…」
「オレだって、ミヌが、モデルになってるとは思ってなかったぞ」
アハハと楽しそうな笑い声。久々の再会で、弾む会話。
ミニョのバッグに入った携帯が、何回もコールを鳴らしていたのを、ミニョが知ることはなかった。
★★☆☆