「美男2」
「あなたが、好きなの」
*47*
テギョンも、次の衣裳に着替え、スタジオに現れる。
先ほどまであげていた前髪を下ろし、片目を覆っている。黒のカッチリとしたジャケット、黒の胸元が開いたトップス、黒の細身のパンツ姿。
「それでは、撮影再開します!!」
カメラの眩しいストロボの光の中、ポーズをとっていくふたり。
「もう少し、お互いの身体を寄せて、テギョンさん、ガインさんの腰に手を回して、見つめ合って、ガインさん、テギョンさんの胸元に手を当てて、テギョンさん、次は、ガインさんの顎に指をかけて、唇を寄せて、熱の籠ったような目で、見つめて……」
カメラマンに、次々と、ポーズを要求され、テギョンは、淡々とこなしていく。
ガインは、豊満な胸を、更に寄せ、背中から腰まで大胆に開いたセクシーなロングドレスで、テギョンに迫るように、身体を密着させていた。
テギョンが、わずかに、眉間に皺を寄せ、カメラマンがわからないように、身を捩り、距離をとっても、ガインは、テギョンのシャツを、強く掴み、離そうとしない。
"一体、いつまで、続くんだ…。コイツに嫌というほどに身体を密着されて、身体が、拒否反応を起こしそうだ…それに、コイツのニオイのせいで、頭が割れるように痛い……"
長々と続く撮影に、さすがのテギョンも疲れていたが、プロとして、一度も、顔に出すことなく、撮影を続けていた。
撮影は、深夜を越えた。
「以上を持ちまして、、撮影をすべて終了させていただきます。ありがとうございました!!」
スタッフたちの大きな拍手の中、テギョンは、やっと、開放され、フーっと息を吐き、「ありがとうございました」と、スタッフに頭を下げ、スタジオを後にした。控え室に戻り、事務所スタッフに、電話で、帰りの車を手配すると、さっさと着替えを済ませ、控え室を出ていく。
「テギョンオッパ!!」
廊下で、ガインとばったりと出会してしまうが、テギョンは、無視をしたまま、足を止めることなく、歩き続ける。
「ねぇ、テギョンオッパ、連絡先教えてくれる?パパに、あなたのこと話したら、久しぶりに会って、食事でもしたいって…だから」
ガインも負けじと、テギョンの腕を掴む。
「お前、いい加減にしろ!!オレは、人に触られるのが、大っ嫌いだ!!」
テギョンは、キッと睨み、掴まれた手を、振り落とす。
「ごめんなさい。でも、テギョンオッパ……」
ガインは謝りながら、まだ、テギョンの後をついていく。
ふたりは、スタジオの入り口の外まで出ていた。
テギョンは、怒った顔を隠すことなく、振り向いた。
「気安く、オレのこと「テギョンオッパ」呼ぶな!!ウザいんだよ!!」
「ごめんなさい。でも…好きなの…テギョンオッパのことが、あのときから、ずっと、ずっと、忘れられずにいたの。やっと、テギョンオッパに再会して……」
ガインは、ポロポロと涙を溢しながら、テギョンに抱きつくと、背伸びをして、テギョンにキスをした。
その瞬間を、入り口の植木の茂みに隠れた一台のカメラがおさえていたのを、そのときのテギョンは、知る由もなかった。
★☆☆★
「あなたが、好きなの」
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テギョンも、次の衣裳に着替え、スタジオに現れる。
先ほどまであげていた前髪を下ろし、片目を覆っている。黒のカッチリとしたジャケット、黒の胸元が開いたトップス、黒の細身のパンツ姿。
「それでは、撮影再開します!!」
カメラの眩しいストロボの光の中、ポーズをとっていくふたり。
「もう少し、お互いの身体を寄せて、テギョンさん、ガインさんの腰に手を回して、見つめ合って、ガインさん、テギョンさんの胸元に手を当てて、テギョンさん、次は、ガインさんの顎に指をかけて、唇を寄せて、熱の籠ったような目で、見つめて……」
カメラマンに、次々と、ポーズを要求され、テギョンは、淡々とこなしていく。
ガインは、豊満な胸を、更に寄せ、背中から腰まで大胆に開いたセクシーなロングドレスで、テギョンに迫るように、身体を密着させていた。
テギョンが、わずかに、眉間に皺を寄せ、カメラマンがわからないように、身を捩り、距離をとっても、ガインは、テギョンのシャツを、強く掴み、離そうとしない。
"一体、いつまで、続くんだ…。コイツに嫌というほどに身体を密着されて、身体が、拒否反応を起こしそうだ…それに、コイツのニオイのせいで、頭が割れるように痛い……"
長々と続く撮影に、さすがのテギョンも疲れていたが、プロとして、一度も、顔に出すことなく、撮影を続けていた。
撮影は、深夜を越えた。
「以上を持ちまして、、撮影をすべて終了させていただきます。ありがとうございました!!」
スタッフたちの大きな拍手の中、テギョンは、やっと、開放され、フーっと息を吐き、「ありがとうございました」と、スタッフに頭を下げ、スタジオを後にした。控え室に戻り、事務所スタッフに、電話で、帰りの車を手配すると、さっさと着替えを済ませ、控え室を出ていく。
「テギョンオッパ!!」
廊下で、ガインとばったりと出会してしまうが、テギョンは、無視をしたまま、足を止めることなく、歩き続ける。
「ねぇ、テギョンオッパ、連絡先教えてくれる?パパに、あなたのこと話したら、久しぶりに会って、食事でもしたいって…だから」
ガインも負けじと、テギョンの腕を掴む。
「お前、いい加減にしろ!!オレは、人に触られるのが、大っ嫌いだ!!」
テギョンは、キッと睨み、掴まれた手を、振り落とす。
「ごめんなさい。でも、テギョンオッパ……」
ガインは謝りながら、まだ、テギョンの後をついていく。
ふたりは、スタジオの入り口の外まで出ていた。
テギョンは、怒った顔を隠すことなく、振り向いた。
「気安く、オレのこと「テギョンオッパ」呼ぶな!!ウザいんだよ!!」
「ごめんなさい。でも…好きなの…テギョンオッパのことが、あのときから、ずっと、ずっと、忘れられずにいたの。やっと、テギョンオッパに再会して……」
ガインは、ポロポロと涙を溢しながら、テギョンに抱きつくと、背伸びをして、テギョンにキスをした。
その瞬間を、入り口の植木の茂みに隠れた一台のカメラがおさえていたのを、そのときのテギョンは、知る由もなかった。
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