X'mas



*6*


「うわぁ~!!スゴイ広いです。」

つい、さっきまで、真っ赤になっていたミニョが、部屋の中を見た途端、目を丸くしながら、感嘆の声を上げていた。
テギョンが予約したのは、広々としたスイートルームだった。
部屋の中にも、クリスマスらしく、ツリーが飾られていた。
ツリーのそばには、テーブルセットがある。
テギョンは、椅子を引くと、ミニョを椅子に座らせる。
テギョンも椅子に座ると、テーブルの上で、冷えているビンを取り出すと、ミニョのグラスに、ピンク色の液体が注ぐ。
テギョンも、自分のグラスに注ぐ。

「メリークリスマス、オッパ」

「メリークリスマス」

グラスを重ね合わせ、ミニョが、一口、液体を流し込む。 シュワシュワと弾ける、飲みやすく甘い液体。

「おいしいです」

ニッコリと笑うミニョ。

「スパークリングワインだ。飲み口はいいが、お前は、弱いんだから……」

テギョンが言う前に、飲み干してしまうミニョ。
ほんのりと頬を赤く染め、上機嫌になってるのか、ニコニコ明るく笑ってる。

「全く…お前は……」

テギョンは、ハァーとため息を漏らし、呆れながら、ミニョを見てたが、ミニョの笑顔を見ていると、"仕方ないな"と思ってしまう。
それから、しばらくして、食事が運ばれてくる。

「美味しいです」

食べるときは、いつも幸せそうな顔をしているミニョ。

キレイにデコレーションされているクリスマスケーキが運ばれてきたとき、ミニョの目は、子どものように、キラキラと輝いていた。

「お前、ひとりで、全部、食べていいぞ」

「えっ?いいんですか?でも、なんか、キレイにデコレーションされているから、食べるのが、もったいないです」

今は、ソファーに寄り添って座っているふたり。

「ほら」

テギョンが、ケーキの上に飾られているイチゴを一個取ると、ミニョの口に入れた。

「おいしいか?」

「はい、おいしいです」

イチゴを頬張りながら、ニコッと微笑むミニョ。ふと、ミニョの口元に、生クリームがついていることに気付くテギョンが、ニヤリと笑う。

「ついてるぞ」

テギョンが、ミニョの唇を、ペロッと舐める。

「甘いな」

間近にあるテギョンの笑顔に、かぁーっと、熱が上がったように、ミニョの顔が、一瞬で、真っ赤になる。
クックックッ……可笑しそうに、テギョンが笑いながら、また、ミニョの唇に、口づけた。


今日は、クリスマス。
恋人たちの夜は、まだまだ、これから……
どうか、素敵な夜を……。

☆・',・',
Merry Christmas
,・,'・☆


Fin



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