X'mas
*2*
ロウソクの温かな光りに包まれた、教会の礼拝堂。
祭壇の前では、児童施設の子どもたちとシスターたちが、もみの木をクリスマスツリーへと飾りつけていた。
色とりどりのオーナメント、星、リボン、ライトが飾られていく。
「あっ!!ミニョお姉ちゃんだぁ!!」
礼拝堂の扉が開き、ひとりの女性が入ってくると、子どもたちは、嬉しそうに、そのヒトの元に駆け込んでいく。
「みんな、こんにちは」
子どもたちと視線を合わせると、ニッコリと優しく微笑むミニョ。
「あら、ジェンマ。ボランティアのお仕事は?」
「終わりました。今日は、クリスマスのイベントで配るクッキーを作ってたんで、余ったのを、お裾分けに来ました」
「そう、ありがとう。」
シスターに、クッキーが入った紙袋を手渡す。中には、ひとつひとつ、クリスマスのパッケージに丁寧にリボンを付け、小分けにされた、クッキーが入っていた。
「皆さん、ちゃんと、お礼を言ってくださいね」
「わぁーい!!ありがとう!!お姉ちゃん!!」
「今日はね、クリスマスツリーを飾ったんだ。お姉ちゃんの好きな星もいっぱい飾ったんだよ!!キレイでしょ?でね、今からね、僕たち、劇の練習をするんだ。見てくれるよね?」
「うん、いいわよ」
ミニョは、キレイに飾りつけられたツリーを、嬉しそうに、携帯のカメラで撮る。
"今日は、たくさんの星を見つけられたわ"
そして、その写真を一通のメールに添付して送った。
それは、大切なヒトと交わした約束。
「星を一生懸命探しておけよ。どれだけたくさん探したか、ひとつずつ、調べるからな」
星が見えない、そのヒトのために、たくさんの星を見せてあげたくて……。
でも、一度だけ、そのヒトと辛い別れをしてしまい、会えなくなったことがあった。それでも、私は、星を探し続けていた。
私にとって、そのヒトが、星そのものだったから……。まるで、一番星のように、キラキラと光り輝くその姿は、近くで見ていると眩しくて、でも、目を離せなくて……。だから、遠くから、その星を見つめることにした。どこにいても、星は、夜空で輝くから……。
でも、私の星は、流れ星になって、私の元に来てくれた。
「いつも、一緒にいられるように…」
私に、消えない星をくれた。
その星は、今も、私の元で、キラキラと輝いている。
ミニョが、ギュッと、星のネックレスを握りしめ、子どもたちの劇を見ていると、一通のメールが届く。
「クリスマスの夜、仕事が終わったら、合宿所に来い。」
用件だけの短いメール。
それだけでも、ニッコリと頬が弛んでしまう。
「楽しみにしてます」
嬉しそうに、携帯をギュッと胸に抱き締めた。
★★☆★
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ロウソクの温かな光りに包まれた、教会の礼拝堂。
祭壇の前では、児童施設の子どもたちとシスターたちが、もみの木をクリスマスツリーへと飾りつけていた。
色とりどりのオーナメント、星、リボン、ライトが飾られていく。
「あっ!!ミニョお姉ちゃんだぁ!!」
礼拝堂の扉が開き、ひとりの女性が入ってくると、子どもたちは、嬉しそうに、そのヒトの元に駆け込んでいく。
「みんな、こんにちは」
子どもたちと視線を合わせると、ニッコリと優しく微笑むミニョ。
「あら、ジェンマ。ボランティアのお仕事は?」
「終わりました。今日は、クリスマスのイベントで配るクッキーを作ってたんで、余ったのを、お裾分けに来ました」
「そう、ありがとう。」
シスターに、クッキーが入った紙袋を手渡す。中には、ひとつひとつ、クリスマスのパッケージに丁寧にリボンを付け、小分けにされた、クッキーが入っていた。
「皆さん、ちゃんと、お礼を言ってくださいね」
「わぁーい!!ありがとう!!お姉ちゃん!!」
「今日はね、クリスマスツリーを飾ったんだ。お姉ちゃんの好きな星もいっぱい飾ったんだよ!!キレイでしょ?でね、今からね、僕たち、劇の練習をするんだ。見てくれるよね?」
「うん、いいわよ」
ミニョは、キレイに飾りつけられたツリーを、嬉しそうに、携帯のカメラで撮る。
"今日は、たくさんの星を見つけられたわ"
そして、その写真を一通のメールに添付して送った。
それは、大切なヒトと交わした約束。
「星を一生懸命探しておけよ。どれだけたくさん探したか、ひとつずつ、調べるからな」
星が見えない、そのヒトのために、たくさんの星を見せてあげたくて……。
でも、一度だけ、そのヒトと辛い別れをしてしまい、会えなくなったことがあった。それでも、私は、星を探し続けていた。
私にとって、そのヒトが、星そのものだったから……。まるで、一番星のように、キラキラと光り輝くその姿は、近くで見ていると眩しくて、でも、目を離せなくて……。だから、遠くから、その星を見つめることにした。どこにいても、星は、夜空で輝くから……。
でも、私の星は、流れ星になって、私の元に来てくれた。
「いつも、一緒にいられるように…」
私に、消えない星をくれた。
その星は、今も、私の元で、キラキラと輝いている。
ミニョが、ギュッと、星のネックレスを握りしめ、子どもたちの劇を見ていると、一通のメールが届く。
「クリスマスの夜、仕事が終わったら、合宿所に来い。」
用件だけの短いメール。
それだけでも、ニッコリと頬が弛んでしまう。
「楽しみにしてます」
嬉しそうに、携帯をギュッと胸に抱き締めた。
★★☆★