「美男2」

「good?morning」

*34*


朝から、こんなにも、騒がしい合宿所は久々だったかもしれない。

同じ屋根の下で、暮らしているメンバーたち。
仕事やプライベートのときでも、顔を合わしているため、合宿所にいるときは、ほとんど話すこともなく、自室で過ごすことが多く、顔を合わしても、挨拶くらいで済ますことが多かったが、ミニョが帰ってきたことにより、また、騒がしくなったようだ。

「……おはよう」

一番最後に、シヌが、キッチンに入ってくる。

「あっ、おはようございます、シヌヒョン」

席に座ってたミニョが、ちょこちょこと、シヌの前まで来ると、ニコッと笑って挨拶をする。
相変わらず、子犬のようなミニョに、シヌが、フッと笑うと、つい、クセになってしまったのか、ミニョの頭をクシャクシャに撫でた。

「ミニョ、帰ってきたんだね。おかえり。」

「はい、"ただいま"です。朝ごはん作ったんですけど、食べますか?」

「あぁ、そうだね。頂こうかな」

シヌが、席に座ると、ジェルミが、シヌの腕を引っ張った。

「ねぇ、シヌヒョーン。一体、このあと、どうなるのさぁ?誤解したまま、ふたりは、別れちゃったんでしょ?ねぇ、どうするの?」

ちなみに、ジェルミがしている話は、シヌが主演しているドラマの話。シヌの演技の評価も良く、息をのむ展開に、視聴率も上がっているという。ちなみに、現在、シヌ演じる男性主人公が、恋人の女性に、誤解をされたまま、別れを切り出され、雨の中、ふたりは、別れてしまったようで……ジェルミは、そのドラマに、ハマってしまったようで、毎回、欠かさずに視聴しているようだった。

「今回は、もう、泣いちゃったよ。シヌヒョンは、悪くないって!!」

「シヌヒョン、ヤバいんだよ、コイツ。ジェルミがハマっちゃってさ、バラエティー番組の収録前に、ワンワン泣きやがって、目、真っ赤に腫らして、ワンコーディーに叱られて、そんな、ワンコーディーも、泣いてたけど……」

ミナムが、ハァーと大袈裟なため息をついて、呆れている。

「これから、また撮影に行かなきゃいけないんだよ。結構、押してて…」

「ドラマの撮影って、大変なんですね…。体調は、大丈夫なんですか?」

ミニョが、心配そうに、シヌを見ている。
確かに、シヌは、前より、痩せたような感じがしていた。

「あぁ、大丈夫だよ。ミニョ、ご馳走さま。ごはん、おいしいかったよ。」

シヌが、そう言って、席を立つと、玄関に向かう。
ミニョも、シヌに付いていってしまい、玄関まで見送りに行く。

「頑張ってくださいね」

ミニョが、グッと拳をつくる。

「いってらっしゃい」

「いってきます」

ミニョが小さく手を振ると、シヌも笑って、手を振り返す。

その頃、ひとりだけ、ご機麗しくないテギョンは、ずっと、ムスッとしたまま、不機嫌そうに、口を尖らしていた。



★☆☆★

なんで、good?なのか……
ミニョと新婚さん気分に浸ってたテギョンさん。
最初は、goodなんですけど、最後、シヌにとられて、badになってしまった朝でした(笑)