「美男2」

「恋愛初心者」

*27*


テギョンは、ミニョの唇を啄むように、何度も角度を変えながら、口づけていく。

「はぁ……ん………」

ルージュを塗ったわけでもないのに、紅く艶めくミニョの唇から、息苦しいのか、時折、甘い吐息が漏れる。
まるで、テギョンを誘っているような、ミニョの紅い唇、甘い吐息。

"そんな声、出すなよ……。止められなくなる……"

テギョンは、奥から沸き上がるような感情を、なんとか、持ち前の精神力と理性で抑えながら、名残惜しそうに、ミニョの唇から、唇を離した。
トロンと潤んだ瞳、少しだけ開いているミニョの唇が、まだ、テギョンを誘っているようにも見えてしまう。

「はぁ………」

"まだ、コイツは、なんにも知らないんだ。これから、ゆっくりと、焦らずに、時間を掛けてやりたいけど……"

テギョンが、長いため息をつきながら、ベッドから起き上がると、頭を抱えてしまった。
ミニョは、やっと、我を戻すと、テギョンがベッドから起きていることに気付き、慌てて、起き上がると、その場に、かしこまるように正座をした。
テギョンのため息を聞き、ミニョは、肩を落とし、口をすぼめてしまう。

"私、なんか、事故、起こしてしまったのかしら…?"

「テ、テギョンさん…?」

「ふ、風呂!!入れてくる」

テギョンは、すくっと立ち上がり、バスルームに消えていく。

"やっぱり、なんかしたんだぁ…!!"

ミニョは、頬に手を当てる。

"でも、どうすれば、良かったのかしら…?"

真剣に考えるミニョ。

"でも、なんにも、考えられなくなるくらい、頭の中が真っ白になっちゃうんだもの…"

テギョンとのキスを思い出すだけで、ミニョの顔が、真っ赤になって、頬が火照るのを感じる。
頭の中で、花火がパンパン上がりはじめている。

「ど、ど、どうしよう………」

頬に手を当てたまま、オロオロしている。

「おい、大丈夫か?」

「あ、あ、だ、だ、大丈夫です。」

「お前の荷物、下にあるから、取りに……」

「い、い、行ってきます。」

ミニョが、慌てて、ベッドから立ち上がり、逃げるように、部屋を出ていく。

ひとり、取り残されたテギョン。

「はぁ……まだまだ……だな」

テギョンは、困ったように、頭を掻いた。

ミニョは、階段を下り、下に向かう。
玄関の前に、自分の荷物があることを発見する。
そのとき、玄関のドアが開いた。
ミニョと、玄関から入ってきた者と、お互いの視線がパチッと合う。

「ミ、ミニョ?コ・ミニョなの?ミニョ――!!おかえり!!会いたかったよぉ!!」

突然、ギュッと抱き締められるミニョ。

「"ミニョ"って……あぁ……ジェルミ。間に合わなかったか……」

ジェルミの後ろから、慌てて、家に入ってきたミナム。嬉しそうなジェルミ、驚いたように、でも、ニッコリ笑っているミニョの姿を見た途端、「今回は、仕方ないな」というように、小さなため息をついた。

「おかえり、ミニョ。」

無事に帰ってきた妹に向かって、優しい笑顔を向けた。



★☆★☆

騒がしいのが、帰ってきました。
パーティーだな。これから…。
♪~ヽ(´▽`)/~♪