「美男2」
「会いたくて、会いたくて」
*21*
オレンジ色の夕焼け空。
洗濯物を取り込むミニョの姿があった。
風に揺れるミニョの癖っ毛も、肩まで伸びていた。
籐の籠にたくさんの洗濯物を詰め込み、施設の中へと戻っていく。
「あっ、ミニョ。施設長が呼んでいたわよ。」
「そう、ありがとう」
ひとりのボランティアスタッフがミニョに声を掛ける。
ミニョが、施設に入ったときにいた大半のボランティアスタッフたちは、もう、母国に帰り、その入れ替えに、また、新しいスタッフたちが入ってきていた。
ミニョが施設に来て、もう10ヶ月が過ぎようとしていた。
ミニョは、仕事を終え、施設長がいる教会を訪れた。
「施設長、呼びましたか?」
施設長は、中年のアジア系の男性で、元は、母国で教会で神父をしていた。数年前に、仕事で、この地を訪れ、身寄りのない子どもたちを、村の教会で預け入れたのが、事の始まりだった。
それ以来、彼は、子どもの受け入れる人数を増やし、教会を増築し、施設を造り、賛同した各国の教会関係者たちが、ボランティアスタッフを募集し、施設長の元へ、派遣していた。
「あぁ、コ・ミニョ、待っていたよ」
「キミは、この施設で、何事にも、真面目で、熱心に働いてくれた。契約期間の半年が過ぎても、文句を言わず、働いてくれていたことを、心から感謝する。この施設にも、新しいボランティアスタッフが増えたことだし、キミを、そろそろ、母国に帰そうと思うんだ。」
突然のことに、目を見開いて、驚いているミニョ。
施設長が、ミニョの両手を握りしめ、何かを手渡す。
「これは、私からのご褒美だ。明日の飛行機のチケットだよ。長い間、本当にありがとう。よく頑張ってくれたね。」
施設長が、ミニョの肩を、優しく叩く。
「……ありがとうございます。」
チケットを見つめるミニョの目は、涙で潤んでいた。
ミニョは、施設長に、深くお辞儀をすると、教会を出た。
すでに、真っ暗な外。
頭上には、たくさんの星が輝いている。
"ヒョンニム…やっと、アナタの元に、帰れます。今でも、アナタは、私を待ってくれてますか…?私は、今すぐにでも、アナタに会いたくて、会いたくて、堪りません……"
ミニョが、ネックレスを握りしめながら、星空を見上げていた。
★☆★☆
「会いたくて、会いたくて」
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オレンジ色の夕焼け空。
洗濯物を取り込むミニョの姿があった。
風に揺れるミニョの癖っ毛も、肩まで伸びていた。
籐の籠にたくさんの洗濯物を詰め込み、施設の中へと戻っていく。
「あっ、ミニョ。施設長が呼んでいたわよ。」
「そう、ありがとう」
ひとりのボランティアスタッフがミニョに声を掛ける。
ミニョが、施設に入ったときにいた大半のボランティアスタッフたちは、もう、母国に帰り、その入れ替えに、また、新しいスタッフたちが入ってきていた。
ミニョが施設に来て、もう10ヶ月が過ぎようとしていた。
ミニョは、仕事を終え、施設長がいる教会を訪れた。
「施設長、呼びましたか?」
施設長は、中年のアジア系の男性で、元は、母国で教会で神父をしていた。数年前に、仕事で、この地を訪れ、身寄りのない子どもたちを、村の教会で預け入れたのが、事の始まりだった。
それ以来、彼は、子どもの受け入れる人数を増やし、教会を増築し、施設を造り、賛同した各国の教会関係者たちが、ボランティアスタッフを募集し、施設長の元へ、派遣していた。
「あぁ、コ・ミニョ、待っていたよ」
「キミは、この施設で、何事にも、真面目で、熱心に働いてくれた。契約期間の半年が過ぎても、文句を言わず、働いてくれていたことを、心から感謝する。この施設にも、新しいボランティアスタッフが増えたことだし、キミを、そろそろ、母国に帰そうと思うんだ。」
突然のことに、目を見開いて、驚いているミニョ。
施設長が、ミニョの両手を握りしめ、何かを手渡す。
「これは、私からのご褒美だ。明日の飛行機のチケットだよ。長い間、本当にありがとう。よく頑張ってくれたね。」
施設長が、ミニョの肩を、優しく叩く。
「……ありがとうございます。」
チケットを見つめるミニョの目は、涙で潤んでいた。
ミニョは、施設長に、深くお辞儀をすると、教会を出た。
すでに、真っ暗な外。
頭上には、たくさんの星が輝いている。
"ヒョンニム…やっと、アナタの元に、帰れます。今でも、アナタは、私を待ってくれてますか…?私は、今すぐにでも、アナタに会いたくて、会いたくて、堪りません……"
ミニョが、ネックレスを握りしめながら、星空を見上げていた。
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