「美男2」

「ミッション発動!!」

*7*


「もう少しで、マ室長が迎えに来るはず。だけど、その前に、ミナム、お前は、ジェルミのバイクで、先に、事務所に向かうこと。あと、ミニョに、お前の服を渡しておいて。」

「了解。ジェルミ、バイクの鍵ちょうだい。」

「いいけど、ミナム、もう少し、大事に乗ってよ。最近、やたらとキズが増えてるんだよね、気をつけてよ。」

ジェルミが、ミナムに、鍵を投げ渡す。

その頃、テギョンの部屋では、テギョンは着替えを済まし、身支度を整えていた。
ミニョは、まだ、頭まで、すっぽりと布団に潜り込んでいた。

「おい、いい加減、起きろよ。……それとも、オレに、起こしてほしいのか?」

テギョンが、口角をあげながらニヤリと笑い、ベッドに膝を立てた。
ギシッと音を立て、揺れるベッドに、ミニョの身体が、一瞬、ピクッと震える。
テギョンが、ミニョの掛けている上掛けを剥ぎ取る。小さく縮こまっているミニョの身体。
突然、明るくなる視界に、ミニョが、眩しそうに、目を細めた。

「おはよう、ミニョ」

間近に迫るテギョンの笑顔と甘い声。ゆっくりと唇が近付いてくる。

ガチャと、テギョンの断りもなしに、少し乱暴にドアが開く。
ミナムは、ふたりの状態を見ても、顔色変えずに、構わずに話し出す。

「あぁ、ごめん。お邪魔だった?アハハ。ミニョ、シヌヒョンが、オレの服に着替えろって。オレ、先に行かないといけないから。それでは、邪魔者は消えるので、どうぞ、続きを…ヒョン、時間ないから、早めに済ませろよ」

クックッ笑いを堪えながら、ミナムが部屋を出ていく。

テギョンは、邪魔をされ、不機嫌そうに、唇を尖らしながら、左右に動かす。ミニョは、顔を真っ赤にさせたまま、目をキョロキョロ動かし、手探りで、上掛けを探している。
テギョンが、ミニョの手を掴み、動きを止め、羽交い締めをしたまま、キスをした。

「ダメだ。もう寝かさない。起きて、早く、着替えるんだ。わかったな?」

テギョンは、顔を近付けたまま、一言を区切りながら、ゆっくりと話す。ミニョは、わかったとでも言うように、コクコクと何度か頷いた。
テギョンは、ニッコリ笑い、ミニョを見つめたまま、もう一度、軽くチュッと音を立て、キスをしてから、手を離し、ベッドから下りると、部屋を出ていった。

ミニョは、しばらく、放心状態のまま寝転がっていたが、やっと、ベッドから起き上がり、着替えをはじめた。



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