「美男2」

「シルシ」

*5*


カーテンの隙間から、眩しい朝日が射し込んでいる。

「……ん」

先に目を覚ましたのは、ミニョだった。

「昨日…いつの間にか、私、寝ちゃってたのね…」

テギョンのベッドの中にいたことに、ミニョは、頬を赤らめた。

「とりあえず、起きなきゃ…」

ミニョは、起き上がろうとしたが、何かが邪魔をして、起き上がれないでいた。

口をすぼめ、身体の動きを止め、困っているミニョ。
ふと、首筋に、微かに感じる、誰かの寝息。自分の腰を、両手で、逃がさないと言うばかりに、強く抱きつかれていた。

「えっ…!?きゃぁ!!どうしよう!?」

ミニョは、なんとか逃げようと、もがいている。

「……ん。さすが、ブタウサギ。逃げ足だけは早いな…まだ、逃がさないぞ」

テギョンが、隣でジタバタ動くミニョに気付き、目を覚ました。また、ギュッと離れないように、抱きつく。

「あっ…!!きゃっ!!」

恥ずかしさで、首筋までも赤く染めるミニョ。
きっと、見えない顔は、もっと真っ赤になってると思いながら、テギョンがクスクス笑いだす。
イタズラ心に火がついたのか、少しだけ、ミニョが着ている服をずらした。
ミニョの身体が、一瞬だけ、ビクッと震えた。
ミニョの白い肌に、テギョンは、強く口づけた。ひとつだけついた、紅い印。
ミニョさえも知らない、テギョンだけが知っている、自分だけの証を残す。 自分が、つけた証を見つめ、口角をあげながら、ニヤリと笑う。
テギョンが、ミニョを抱きしめていた腕を解き、起き上がる。
が、ミニョは、縮こまった状態のまま、動かないでいる。

「おい、いつまで寝てるつもりだ。いい加減、起きろよ」

テギョンは、いつまでも動かないミニョにクスクス笑いながら、バスルームに向かった。



★☆☆★

まだ、風邪っぴきです。
ご心配おかけしております。(;´д`)