「fate」
*22*
「happiness」
眠りから、ゆっくりと、目を覚ます。
身体に、少しだけ、重みを感じる。それは、心地がいい重み。逞しい腕が、私の身体を優しく包み込んでいたから。
この腕の中から、まだ離れたくなくて、目の前にある、胸に、顔を埋める。
規則正しい心音が、耳のそばで聞こえ、いい香りが、鼻を掠める。
時々、これは、夢なのか、現実なのか、わからなくなる。
自分は、あまりにも幸せな夢を見ているだけでは、ないのかと…。
でも、肌に感じる体温、耳に聞こえる鼓動、鼻を掠める、大好きな香りが、夢ではなく、現実だと、教えてくれる。
しばらく、微睡んでいると、頭のてっぺんにキスをされる。
「おはよう」
「…おはようございます」
顔を上げると、昨日、悲しそうな瞳で、私を見つめていた、その瞳が、笑っていた。
"…良かったぁ"
嬉しくて、ギュッと、背中に腕を回すと、すぐに、抱きしめ返す、腕の力強さを感じる。
ゴロンと寝返りをうちながら、体勢を変えられ、組み敷かれる。
見つめ合いながら、口づけを交わす。
…至福な時間。
幸せで、幸せで、泣きたくもないのに、涙が落ちてくる。
「どうした?」
私を、心配そうに見つめる顔。
「すごく、幸せで…すみません。」
カッコ悪く、グスッと、鼻を鳴らしてしまう私に、ニコッと微笑みながら、零れ落ちた涙に、優しく口づけをしてくれる。
ギュッと、身体が離れないように、首に腕を回す。
お別れの時間まで、あと少し…。
今度は、いつ、会えるかも、わかないから…。
…せめて
今だけは、もう少しだけ、このままで、いさせてください。
☆★☆★
*22*
「happiness」
眠りから、ゆっくりと、目を覚ます。
身体に、少しだけ、重みを感じる。それは、心地がいい重み。逞しい腕が、私の身体を優しく包み込んでいたから。
この腕の中から、まだ離れたくなくて、目の前にある、胸に、顔を埋める。
規則正しい心音が、耳のそばで聞こえ、いい香りが、鼻を掠める。
時々、これは、夢なのか、現実なのか、わからなくなる。
自分は、あまりにも幸せな夢を見ているだけでは、ないのかと…。
でも、肌に感じる体温、耳に聞こえる鼓動、鼻を掠める、大好きな香りが、夢ではなく、現実だと、教えてくれる。
しばらく、微睡んでいると、頭のてっぺんにキスをされる。
「おはよう」
「…おはようございます」
顔を上げると、昨日、悲しそうな瞳で、私を見つめていた、その瞳が、笑っていた。
"…良かったぁ"
嬉しくて、ギュッと、背中に腕を回すと、すぐに、抱きしめ返す、腕の力強さを感じる。
ゴロンと寝返りをうちながら、体勢を変えられ、組み敷かれる。
見つめ合いながら、口づけを交わす。
…至福な時間。
幸せで、幸せで、泣きたくもないのに、涙が落ちてくる。
「どうした?」
私を、心配そうに見つめる顔。
「すごく、幸せで…すみません。」
カッコ悪く、グスッと、鼻を鳴らしてしまう私に、ニコッと微笑みながら、零れ落ちた涙に、優しく口づけをしてくれる。
ギュッと、身体が離れないように、首に腕を回す。
お別れの時間まで、あと少し…。
今度は、いつ、会えるかも、わかないから…。
…せめて
今だけは、もう少しだけ、このままで、いさせてください。
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