「fate」

*19*

「true colors」


外は、昼間から、降り続く雨。

「…ミニョ」

今夜のステージに立つ準備をしていると、テギョンさんが、現れた。

"おかしいな…こんな早い時間に…なんだろう…?どうしたのかな…?"

不思議に思っていると、ギュッと、その場で、抱きしめられた。
息も出来ないくらいに、強く身体を抱きしめられる。隙間なく身体に触れた、テギョンさんの服が、濡れているのに、気づく。

小刻みに震えている身体。
テギョンさんから、身体から離し、顔を見上げた。

悲しみを宿した瞳が、私を見つめている。

黙ったまま、私を抱きしめるテギョンさんに、"何があったのか"も、聞けず、私は、小さく笑顔をつくると、テギョンさんの手を引き、ピアノの元へ連れていく。
ピアノの前に、ふたりで座り、鍵盤に指を置いた。


"You with the sad eyes
Don't be discouraged
Oh I realize
it's hard to take courage
in a world full of people
You can lose sight of it all
And the darkness inside you
can make you feel so small
But I see your true colors
shining through
I see your true colors
And that's why I love you
So don't be afraid to let them show
your true colors
True colors are beautiful
like a rainbow

Show me a smile then
Don't be unhappy,
(I)can't remember
When I last saw you laughing
If this world makes crazy
And you've taken all you can bear
You call me up
because you know I'll be there
And I'll see your true colors
shining through
I see your true colors
And that's why I love you
So don't be afraid to let them show
your true colors
True colors are beautiful
like a rainbow

(I) can't remember
when I last saw you laughing)
If this world makes you crazy
and you've taken all you can bear
you call me up"


ピアノを弾くのは、久々だった。小さい頃、母親と一緒に、小さなピアノの前に座り、一緒に、歌ったことを思い出す。

拙いピアノの音だけど、あなたに届くように、思いを込めながら、歌う。

歌が終わり、チラリと、横目で、テギョンさんを見る。

テギョンさんが、私の手を握り、手の甲にキスをすると、握った手を、引き寄せられ、抱きしめられ、耳元で、囁かれる。

「今夜は、一緒にいたい。上で、待っている。」

テギョンさんは、サッと、私を抱いた腕を解くと、手を軽く上げ、その場から離れた。



☆★★☆

「true color」

シンディ・ローパー

哀しそうな目をしたあなた
がっかりしないで よくわかるわ
色んな人達がひしめき合う世の中で勇気を出すことがどれほど大変か
ぼんやりしているとすぐ取り残されてしまう
そして心の中に闇が広がって たまらなく自分が小さく思える
だけど私にはみえる
あなたの滲み出す本当の良さが
だから愛してるのよ
そう だから本当の自分を出すことを恐れないで
本当のあなたはすばらしいわ
まるで虹のように…

だから笑顔をみせて
不幸せにならないで
最後にあなたの笑顔をみたのはいつかしら
もしこの世界があなたをおかしくさせるというなら
私をよんで私がいるわ



ドラマでは、テギョンさんが、"ファンミーティング"という名で、ミニョに歌を聴かせていましたが、今回は、逆バージョンです。
一度、逆バージョンを書いてみたかったんです。
自分的には、満足。