「fate」
*6*
「呪縛」
「また、会いに来る」
別れ際に、そう言って、約束をした。
その日から、一週間。
仕事に追われ、無情にも、日々が過ぎていく。
そんな中、また、母親に、電話で、呼び出された。
「今日、先方と会う約束しているの。時間は、18:00。遅れないで、来てちょうだいね。」
18:00前に、高級ホテルの最上階のレストランに着く。
ギャルソンによって案内された個室には、先方が来ていて、席に着いていた。
「テギョン。紹介するわね。キム・ヒジュさんよ。」
キム・ヒジュが、オレに向かって、ニッコリ微笑んでいる。
長身で、ロングヘアー、白い肩を露出した、オフホワイトのノースリーブのミニドレスを着たオンナ。
まぁ、確かに、"美人"だな。
「キム・ヒジュです」
ヒジュは、頭を下げた。耳に付けたロングピアスが、揺れている。
「ファン・テギョンです」
頭を下げ、互いに手を差し出し、握手をする。
それから、食事をしながら、話をするが、大体、話しているのは、母親たちだった。
会食が終わり、ヒジュたちが、部屋を出て行く。
部屋には、オレと母親、ふたりだけになる。
「どう、なかなか、いいお嬢さんだったでしょ?あなたと並んでも、お似合いだし…このまま、結婚の方向で、お話進めてもいいかしら?」
「母さん!!前にも、言いましたが、まだ、結婚なんて、考えられません。仕事も忙しいですし、家庭まで、目を向けられる余裕がありません。お話は、お断り出来ませんか?」
「テギョン!!これは、あなただけの決断だけでは、どうにもならないことよ!!あなたは、これから、ファン家を背負っていく人間なの!!」
ツカツカと、ヒールを鳴らしながら、母親が、部屋から出て行く。
ハァ…。
出て行く母親の背中を見ながら、ため息が漏れてしまう。
子供の頃から、すべてが、決まっていた。
通う学校も、就職先も…。恋愛すら、自由に出来なかった。母親の目が、いつもあって、相手と別れさせられたこともあった。
ついに、結婚相手も、母親が決めてしまっていたのだ。
すべては、ファン家の未来のために…。
じゃあ、オレは…どうなるんだ?
すべて、ファン家のために、捧げろって言うのか?
こんな、"がんじがらめ"のような生活なんて、もう、うんざりだ。
オレは、レストランを出ると、急いで、タクシーに乗った。
運転手に、行き先を告げ、目を閉じる。
…アイツに、会いたくて、仕方がなかった。
★☆★☆
テギョンさん、なんか、「ロミジュリ」のロミオと通ずる部分がありますね。
話が似てしまわないように、気をつけないと…。
*6*
「呪縛」
「また、会いに来る」
別れ際に、そう言って、約束をした。
その日から、一週間。
仕事に追われ、無情にも、日々が過ぎていく。
そんな中、また、母親に、電話で、呼び出された。
「今日、先方と会う約束しているの。時間は、18:00。遅れないで、来てちょうだいね。」
18:00前に、高級ホテルの最上階のレストランに着く。
ギャルソンによって案内された個室には、先方が来ていて、席に着いていた。
「テギョン。紹介するわね。キム・ヒジュさんよ。」
キム・ヒジュが、オレに向かって、ニッコリ微笑んでいる。
長身で、ロングヘアー、白い肩を露出した、オフホワイトのノースリーブのミニドレスを着たオンナ。
まぁ、確かに、"美人"だな。
「キム・ヒジュです」
ヒジュは、頭を下げた。耳に付けたロングピアスが、揺れている。
「ファン・テギョンです」
頭を下げ、互いに手を差し出し、握手をする。
それから、食事をしながら、話をするが、大体、話しているのは、母親たちだった。
会食が終わり、ヒジュたちが、部屋を出て行く。
部屋には、オレと母親、ふたりだけになる。
「どう、なかなか、いいお嬢さんだったでしょ?あなたと並んでも、お似合いだし…このまま、結婚の方向で、お話進めてもいいかしら?」
「母さん!!前にも、言いましたが、まだ、結婚なんて、考えられません。仕事も忙しいですし、家庭まで、目を向けられる余裕がありません。お話は、お断り出来ませんか?」
「テギョン!!これは、あなただけの決断だけでは、どうにもならないことよ!!あなたは、これから、ファン家を背負っていく人間なの!!」
ツカツカと、ヒールを鳴らしながら、母親が、部屋から出て行く。
ハァ…。
出て行く母親の背中を見ながら、ため息が漏れてしまう。
子供の頃から、すべてが、決まっていた。
通う学校も、就職先も…。恋愛すら、自由に出来なかった。母親の目が、いつもあって、相手と別れさせられたこともあった。
ついに、結婚相手も、母親が決めてしまっていたのだ。
すべては、ファン家の未来のために…。
じゃあ、オレは…どうなるんだ?
すべて、ファン家のために、捧げろって言うのか?
こんな、"がんじがらめ"のような生活なんて、もう、うんざりだ。
オレは、レストランを出ると、急いで、タクシーに乗った。
運転手に、行き先を告げ、目を閉じる。
…アイツに、会いたくて、仕方がなかった。
★☆★☆
テギョンさん、なんか、「ロミジュリ」のロミオと通ずる部分がありますね。
話が似てしまわないように、気をつけないと…。