「fate」
*4*
「邂逅」
この生活に、いい加減、イライラしていた。
なんで、社長って、こんなに、忙しいんだ!!
オレは、韓国でも一二を争う有名なレコード会社の跡継ぎとして、生まれた。
オレの父親"ファン・ギョンセ"は、レコード会社の社長をしている。
その子会社に、オレの音楽事務所がある。
社長と言っても、プロデューサーみたいなモノだ。事務所の所属しているアーティストを育て、プロデュースし、この世に送り出す。
そんなある日、母親に呼び出された。
母親は、昔、歌手だったらしい。売れない歌手だったらしいが、容姿は、とても美しかったと、父親が言っていた。その容姿に惚れてしまった父親は、母親に求愛。しかし、母親は、父親より、金が目当てだったかもしれない。すぐに、結婚を決め、歌手を辞めた。今は、社長夫人の席に納まっている。社長夫人になれば、金ならいくらでもある。欲しいものは、なんでも買える。自分を磨き、豪華に着飾りながら、自由気ままな、裕福な生活を送っている。
「テギョン、あなた、今年で、23よね?そろそろ、結婚を考えないといけない年齢じゃない?」
「まだ、早いかと思いますが…まだ、事務所の経営状態も不安定なんです。そんな時期に、結婚など考えている余裕はありません」
「あら、そう。でも、結婚して、家庭を持てば、もっと仕事を頑張れると思うわよ。あなたのお父様だって、そうだったんだから。きっと、あなたも。それに、紹介したい女性がいるのよ。とっても、美人で、モデルしてるの。お家も、名家で、聡明なお嬢さんよ。今度、会うことになってるから。必ず、出席するのよ。」
母親は、部屋から出て行く。
"結婚!?ただでさえ、忙しい状況で、結婚なんか考えられるか!!なんで、勝手に、オレの将来を決める??オレの人生だ!!"
事務所に戻っても、仕事が頭に入らず、ムシャクシャした気分を抱えながら、外に出た。
雨が降っていても、お構い無しに、傘をささずに歩く。
酒でも飲んで、気分を晴らそうと、ホテルのバーに入った。
バーの小さなステージに、濃いブルーのドレスを着たオンナが、驚いたように目を丸くしながら、オレを見ていた。
オレは、カウンター席に座ると、ロックウィスキーを注文した。
ステージに立っていたオンナが、歌いはじめる。
…ん?
…初めてだ。
こんな素直で、澄んだようにキレイな声の持ち主は…。
オレの目は、自ずと、オンナへといく。
オレと視線が合うと、恥じらうように、俯いた。
その、俯いた顔が、少し、赤いような気もするが…。
フッ…素直な歌声を持つ者は、性格も、素直なのかもしれないな…。
あっという間に、歌が終わり、オンナが、頭を下げ、出て行こうとする。
どんなヤツなのか、確かめたくて、オレは、オンナの腕を掴んでいた。
★☆★☆
今回は、テギョンさん視点で…。
ちなみに、お母様は、「ファラン」さんです。
*4*
「邂逅」
この生活に、いい加減、イライラしていた。
なんで、社長って、こんなに、忙しいんだ!!
オレは、韓国でも一二を争う有名なレコード会社の跡継ぎとして、生まれた。
オレの父親"ファン・ギョンセ"は、レコード会社の社長をしている。
その子会社に、オレの音楽事務所がある。
社長と言っても、プロデューサーみたいなモノだ。事務所の所属しているアーティストを育て、プロデュースし、この世に送り出す。
そんなある日、母親に呼び出された。
母親は、昔、歌手だったらしい。売れない歌手だったらしいが、容姿は、とても美しかったと、父親が言っていた。その容姿に惚れてしまった父親は、母親に求愛。しかし、母親は、父親より、金が目当てだったかもしれない。すぐに、結婚を決め、歌手を辞めた。今は、社長夫人の席に納まっている。社長夫人になれば、金ならいくらでもある。欲しいものは、なんでも買える。自分を磨き、豪華に着飾りながら、自由気ままな、裕福な生活を送っている。
「テギョン、あなた、今年で、23よね?そろそろ、結婚を考えないといけない年齢じゃない?」
「まだ、早いかと思いますが…まだ、事務所の経営状態も不安定なんです。そんな時期に、結婚など考えている余裕はありません」
「あら、そう。でも、結婚して、家庭を持てば、もっと仕事を頑張れると思うわよ。あなたのお父様だって、そうだったんだから。きっと、あなたも。それに、紹介したい女性がいるのよ。とっても、美人で、モデルしてるの。お家も、名家で、聡明なお嬢さんよ。今度、会うことになってるから。必ず、出席するのよ。」
母親は、部屋から出て行く。
"結婚!?ただでさえ、忙しい状況で、結婚なんか考えられるか!!なんで、勝手に、オレの将来を決める??オレの人生だ!!"
事務所に戻っても、仕事が頭に入らず、ムシャクシャした気分を抱えながら、外に出た。
雨が降っていても、お構い無しに、傘をささずに歩く。
酒でも飲んで、気分を晴らそうと、ホテルのバーに入った。
バーの小さなステージに、濃いブルーのドレスを着たオンナが、驚いたように目を丸くしながら、オレを見ていた。
オレは、カウンター席に座ると、ロックウィスキーを注文した。
ステージに立っていたオンナが、歌いはじめる。
…ん?
…初めてだ。
こんな素直で、澄んだようにキレイな声の持ち主は…。
オレの目は、自ずと、オンナへといく。
オレと視線が合うと、恥じらうように、俯いた。
その、俯いた顔が、少し、赤いような気もするが…。
フッ…素直な歌声を持つ者は、性格も、素直なのかもしれないな…。
あっという間に、歌が終わり、オンナが、頭を下げ、出て行こうとする。
どんなヤツなのか、確かめたくて、オレは、オンナの腕を掴んでいた。
★☆★☆
今回は、テギョンさん視点で…。
ちなみに、お母様は、「ファラン」さんです。