「happiness」

「大事なヒト」


ソラが生まれて、2ヵ月が経った、ある日。
テギョン宅には、シヌ、ジェルミ、ミナム、ヘイ、マ室長、ワンコーディーが、勢揃いしていた。
今日は、ソラのお披露目パーティーの日。
ユエは、久々に集まった大人たちに囲まれて、ニコニコだった。
今は、ジェルミがユエの遊び相手をしている。

「ジェルミぃ、おうまさん、やって!!」

ユエは、ジェルミの背中に乗りながら、キャッキャッ言っている。ジェルミも、「ヒヒ~ン!!」と、馬の真似をしながら、旋回している。

「おい、ミニョ、みんな、集まってるぞ」

テギョンに急かされて、ミニョが、ソラを抱っこしながら、みんなが集まっているリビングに行く。

「お待たせしました。」

一斉に、全員の目が、ソラの顔に向かう。

「キャー!!かわいい!!目が、すでに、パッチリしてる!!頬もプニプニだし、お肌もスベスベ!!羨ましいぃぃ!!」

ヘイ、ワンコーディーが、甲高い声をあげながら、ソラの頬を、指で、軽く突っついた。

シヌ「ミニョに、そっくりだな。面影がある。」

ジェルミ「目鼻立ちは、ミニョ。口元は、テギョンヒョン…?」

ミナム「ん…?って言うことは、ソラは、オレ似だよな!!かわいいなぁ、ソラ!!」

大人の足元では、ユエが、口を尖らして、拗ねていた。
大人たちが、ソラばかり、「カワイイ!!」言うから…。

「抱っこしたい!!」

ソラは、次々と、大人たちに代わり代わりで、抱っこされている。

「ユエ、どうしたの?」

ミニョが、ユエに気付き、身を屈めた。

「ママ、ソラ、かわいい?」

「えぇ、かわいいわよ」

ギューッと、口を尖らしてしまうユエ。
その仕草が、テギョンに、そっくりで、ミニョは、クスッと笑ってしまう。
ユエは、テギョンにそっくりで、ちょっとした仕草も、似ていることがあった。

「ママは、ユエも、かわいいと思うけどな…」

ミニョは、ユエをギューッと抱き締めた。

「ママ、くるしぃ…」

「うふふ…ママは、ユエもソラも、だーいスキ!!」

"ウギャ~!!"

「ママ、ソラ、ないている」

「あら、オムツかな?」

「オムツ、もってくる?」

「お兄ちゃん、お願いしますね」

「はい」

ユエが、オムツを取りに行く。

「ミニョ、よろしく」

「はい、ちょっと失礼しますね」

ミニョが、ソラを抱き上げると、場所を移動する。


「ミニョって、ドジだけど、母親のときだと、スゴイわよね」

テキパキとした手際で、母親業をするミニョを見て、ワンが感心している。

「ミニョは、子どもの扱い方だけは、上手いからな…。施設にいるときは、オレたちより年下がいっぱいいて、中には、赤ん坊だっていた。オレたちは、当たり前のように、世話してたんだから。ついでに、ヘイ、オレ、オムツ交換、ミルクあげるのも、お手のものだから、どんと来い!!だから。いつでも、いいからな!!」

ミナムが、ヘイの肩を抱くと、

「何、言ってるのよ!!お調子者なんだから!!冗談じゃないわよ!!あたし、まだ、仕事してたいのよ!!」

パチンと、手を叩かれてしまうミナム。

そのあとは、ワイワイと、食事を楽しんだりした。

「ねぇ、テギョンヒョン…じゃなくて、お父様、娘さんを、僕にください!!」

ホロ酔い加減のジェルミが、いきなりの爆弾発言!!

「じゃあ、オレも!!このまま、ソラが成長すれば、ミニョみたいなコになるんだろ?」

それに、便乗したシヌも、手を挙げた。

「えっ!!また、シヌヒョンがライバルなの!?勘弁してよ!!」

「悪ふざけも大概にしろ!!お前らには、やらん!!……ん?まさか、お前ら、まだ、ミニョのことが、スキなのか?」

「そりゃぁ、スキに決まってるじゃん!!ね、シヌヒョン!!」

ジェルミが、当たり前のように言う。
シヌも、肯定するように、大きく頷いた。

テギョンが、チラリと、隣のミニョを見ると、頬を赤く染めていた。

"他の男の発言に、頬を赤く染めて、恥じらうな!!お前は、オレの妻なんだぞ!!"

ミニョを睨むように見ているテギョンに、シヌが、ため息を吐いた。

「はぁぁ…テギョン…真に受けるなよ…。スキでも、恋愛じゃない。人間としてだ。オレたちにとって、ミニョは、大事なヒトだ。色んな、苦楽を共にした仲間だ。」

シヌの言葉にウンウン頷く、ジェルミ。

「シヌヒョン…、ジェルミぃ…、私にとっても、おふたりは、大事なヒトですよ」

ミニョが、嬉しそうに、ニッコリ微笑む。

テギョンが、フンと横を向きながら、口を尖らしていた。

「さぁ、もう帰るぞ!!明日も、仕事だぁ!!ジェルミとミナムは、ラジオ収録!!シヌは、トーク番組の収録!!で、テギョンは、オフ!!よろしく頼むぞ!!」

マ室長が、スケジュールを確認すると、ため息を吐いたメンバー。
ニヤリと笑っているのは、テギョンだけだった。

「気をつけて、帰ってくださいね。あっ、コレ、良かったら、明日の朝、食べてくださいね。ちゃんと、栄養取らないと、ダメですよ!!」

ミニョは、独身男たちに、お弁当を渡していた。

みんなを見送ったあと、テギョンが、ミニョを問い詰めていた。

「あれは、なんだ!!」

「お弁当です。」

全く悪気のない、ミニョは、ニッコリ微笑む。

「だって、ちゃんと、栄養取らないと。みなさん、身体、壊したら、大変です。それに、皆さんが元気に仕事してくれるから、オッパも、仕事が出来るんですよ。」

A.N.JELLのリーダーの奥さんは、実は、気配り上手なのかもしれない。
ミニョがいるから、A.N.JELLの和が保たれている…と言っても、過言ではないかも…ね、テギョンさん。



☆★★☆

久々に、平和なハナシを。
タイトル、変更しました。すみません。しっくりこなくて…( ̄▽ ̄;)