「fate」
*1*
「first stage」
ホテルのラウンジにある、バーの小さなステージ。
そこが、唯一、私の輝ける場所。
幼い頃から、私は、歌手に憧れていた。
でも、事務所のオーディションを受けるようなお金もなく…それでも、私は、小さなステージでも歌いたいと願い、場所を探していた。
「歌わせてください!!お金は、いりませんから!!」
すべて、直談判だった。行く先々で、深々と頭を下げながら、願うが、大体、頭を横に振られ、断われてしまう。
一番最後に、たどり着いた場所が、このバーだったのだ。
最初のステージは、とても、緊張した。
生まれて初めて、お化粧をして、自分を、精一杯、着飾った。赤いロングのドレス、慣れないヒールを履いて…。
バクバクと、うるさいほど心臓が音を立てる。
身体中が、寒くもないのに、ブルブル震えてしまう。胸に、手を当てながら、深呼吸を何度もすると、私は、意を決して、小さなステージ、マイクの前に立つ。すると、お客さんの目が、一斉に、私に向く。
「コ・ミニョです。よろしくお願いします」
私は、自己紹介をして、お辞儀をすると、歌いはじめた。
何を歌えばいいか、わからなかったけど、お母さんが、よく口ずさんでいた、歌を歌うことにした。
"Somewhere over the rainbow way up high
There's a land that I heard of once in a lullaby..."
瞼を閉じながら、歌に集中する。
歌っているうちに、心臓の音が落ち着いてくるのが、わかる。
歌い終わると、何人かのお客さんが、拍手をしてくれた。
私は、感謝の気持ちを伝えるため、深々、頭を下げ、改めて、歌う喜びを感じながら、初めてのステージを終えた。
そして、そのステージから、半年の月日が経とうとしていた…。
☆★★☆
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「first stage」
ホテルのラウンジにある、バーの小さなステージ。
そこが、唯一、私の輝ける場所。
幼い頃から、私は、歌手に憧れていた。
でも、事務所のオーディションを受けるようなお金もなく…それでも、私は、小さなステージでも歌いたいと願い、場所を探していた。
「歌わせてください!!お金は、いりませんから!!」
すべて、直談判だった。行く先々で、深々と頭を下げながら、願うが、大体、頭を横に振られ、断われてしまう。
一番最後に、たどり着いた場所が、このバーだったのだ。
最初のステージは、とても、緊張した。
生まれて初めて、お化粧をして、自分を、精一杯、着飾った。赤いロングのドレス、慣れないヒールを履いて…。
バクバクと、うるさいほど心臓が音を立てる。
身体中が、寒くもないのに、ブルブル震えてしまう。胸に、手を当てながら、深呼吸を何度もすると、私は、意を決して、小さなステージ、マイクの前に立つ。すると、お客さんの目が、一斉に、私に向く。
「コ・ミニョです。よろしくお願いします」
私は、自己紹介をして、お辞儀をすると、歌いはじめた。
何を歌えばいいか、わからなかったけど、お母さんが、よく口ずさんでいた、歌を歌うことにした。
"Somewhere over the rainbow way up high
There's a land that I heard of once in a lullaby..."
瞼を閉じながら、歌に集中する。
歌っているうちに、心臓の音が落ち着いてくるのが、わかる。
歌い終わると、何人かのお客さんが、拍手をしてくれた。
私は、感謝の気持ちを伝えるため、深々、頭を下げ、改めて、歌う喜びを感じながら、初めてのステージを終えた。
そして、そのステージから、半年の月日が経とうとしていた…。
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