「happiness」

「life」

*9*


沖縄旅行から、時は過ぎ、クリスマスを迎えていた。
テギョンは、最近、年末の特別番組のテレビ収録が続き、ほとんど、家を空けている。
クリスマスも、生放送の音楽番組があった。

キッチンでは、ミニョが、また少し、大きくなったお腹を抱えながら、クリスマス料理を作っていた。
予定日は、2月半ば。

「ママぁ」

「この、お皿を、テーブルに運んでくれる?」

「うん、やる。」

「あら、ありがとう。イイコにしてないと、サンタさん、来なくなっちゃうもんね。」

"イイコにしないと、サンタさんは、来ませんよ"

ミニョに言われ、最近は、何でも、ミニョの言うことを聞いている。

「サンタさん、くるかなぁ?おうちに、えんとつ、ないけど、だいじょうぶかなぁ?」

「大丈夫。ママが、ちゃんと、入れるようにしておくから。ユエが寝ている間に、サンタさんは来るのよ。」

ふたりで、クリスマス料理を食べ、ユエは、ベッドに入った。

日付が替わる前に、テギョンが帰宅する。

「おかえりなさい」

ミニョが、テギョンを出迎えるため、玄関に向かうと、ミニョは、テギョンの格好を見て、目を丸くして、驚いていた。

テギョンは、サンタクロースの格好をしていたのだ。

「オッパ、どうしたんですか?その格好…」

「あぁ…番組内でやらされたんだ。この格好で、クリマスソング、歌ったんだよ。そのまま、間に合うように…」

テギョンは、大きなプレゼントを抱えていた。
テギョンが、静かに、子供部屋に入っていく。
スヤスヤ眠っているユエの頭を撫でると、ベッドの横に、プレゼントを置いた。そして、静かに、出ていく。

「お疲れさまです。サンタさん」

「あと、ミニョ、お前に。腕、出して。」

ミニョが、首を傾げながら、腕を差し出すと、テギョンが、ポケットから、何かを取り出し、ミニョの腕に付けた。

「ブレスレットだ。」

それ、星のチャームが付いた、細い鎖で出来た、シンプルなブレスレットだった。

「ありがとうございます。オッパ、実は、先日、検診で、赤ちゃんの性別を聞いたんです」

「どっちだ?」

「オッパ、大正解です。」

「ん?正解…って言うことは、女か…?」

ミニョが、コクッと頷いた。
テギョンの頬が、みるみる緩んでいき、満面な笑みを見せる。

「やったぁ!!スゴイぞ!!偉いぞ!!ミニョ!!」

テギョンは、ミニョをギュッと抱きしめると、にんまり笑った。

「オ、オッパ、く、苦しいです。」

「…あぁ、悪い」

まだ、嬉しそうに、ニコニコ笑っているテギョン。


「名前、決めなきゃ。いい名前にするからな」

テギョンは、ミニョのお腹に、チュッとキスをする。すでに、デレデレのテギョン。
テギョンが、上を見上げると、ミニョが口をすぼめていた。

「おい、妬くなよ…オレは、ミニョ、お前が、誰よりも、お前を一番に愛してる。二番目は、子ども。これは、永遠に、不動の順位だ。」

テギョンが、チュッと、ミニョにキスをする。

「さぁ、風呂に入ろう」

テギョンが、ミニョの手を掴むと、引っ張った。

「…私、もう、入りましたよ」

「たまには、夫婦、水入らず、入りたいんだ」

こうして、聖夜の夜は、更けていくのであった。



★☆★☆

テギョンの満面な笑み…ドラマでファンテストをやって、ミニョに「100点」を貰った、あのシーンを、思い浮かべていただければ、ね。
さぁ、お腹の赤ちゃんは、女の子です。

生まれるまで、あと、もう少しです。