「happiness」

「life」

*8*


オレンジ色に染まる夕焼け空、少し冷たさを増した、海風を感じながら、前、ふたりで歩いたビーチを、今度は、3人で歩く。

ユエにとって、初めて見る海。ユエにとって、あまりにも大きく感じる海に、ユエがビックリしてしまう。

「いやぁ…こわい」

ユエが、ギュッと、ミニョのスカートの裾を掴んだ。
ミニョは、ユエと視線を合わるように、ゆっくりと、身を屈ませると、キュッと、ミニョに抱きついてくるユエ。
ミニョが、ユエの小さな背中を、優しく擦る。

「ユエ、大丈夫よ。ほら、見てごらん。海が、お空と同じ、オレンジ色になってるよ。キレイだね。」

ミニョは、ユエの手を引きながら、波打ち際近くを歩く。

「ほら、ユエ、キレイな貝殻が落ちてる。」

ミニョが、ユエの小さな掌に、貝殻を置いた。

日が暮れてゆき、ホテルに戻ると、レストランで、晩ごはんを食べ、部屋に入った。

テギョンが、ユエをお風呂に入れる。
そのまま、ユエが、びしょ濡れのまま、バスルームから出てくる。

「ユエ、ちゃんと、拭いて!!もう、風邪、ひいちゃうでしょ!!」

ユエが、ミニョに怒られていると、バスルームから出たテギョンが、ユエを捕まえる。

「ミニョ、お前も入ってこい。後は、やる。」

ミニョが、バスルームから出ると、ユエは、ちゃんと、テギョンに、パジャマを着せてもらっていた。

「きょうは、ママとねるの」

ミニョの隣を陣取るユエ。ベッドは、2台あるのに、テギョンは、口を尖らせながら、ミニョの隣(ユエの反対)に寝る。真ん中に挟まれたミニョは、困っていた。

「オッパ!!3人は、狭いです。それに、ユエが、ベッドから、落ちちゃう。」

プクッと頬を膨らますミニョ。

「家族、みんなで寝ればいいじゃないか…それに、お前がそばにいないと、オレは、眠れないんだ」

ミニョの腰に手を回し、抱きつくテギョン。

結局、1台のベッドで、家族3人で寝るが、テギョンは、寝返りがうつことも出来ず、夜中、目を覚まし、仕方なく、隣のベッドに移って寝たのである。



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沖縄旅行は、ここまで。
さぁ、いよいよ、ミニョの出産が、近付いてきます。