「happiness」

「life」

*7*


A.N.JELLの最新アルバムのレコーディングも、無事、終了し、メンバーたちは、1週間のオフをもらった。

テギョンは、ミニョのお腹が大きくなって、動けなくなる前に、ユエを連れて、旅行に行く計画していた。
国内だと、ゆっくり休むことも出来ないので、国外を予定していた。
あまり、長い間、飛行機にも乗ることも出来ないミニョの身体を気遣って、沖縄に行くことを決め、準備を進めていた。

旅行当日。

初めての飛行機に、大興奮のユエ。

「しゅごいねぇ!!くもが、ちかくで、みえるよ」

ユエが、飛行機の窓から、流れる雲を見つめていた。

那覇空港に着くと、タクシーに乗り、一度、ホテルに向かう。
チェックインと荷物を預けると、また、タクシーで、水族館に向かった。

大きなジンベイザメのモニュメントが見えてくる。

「わぁーおっきい!!」

ユエが、モニュメントを見上げている。

「中に入ると、この大きな魚が泳いでいるんだぞ」

水族館の中に入ると、あのときと変わらない光景が広がっている。
本当に、自分が、青い海の中にいるのではないかと、錯覚してしまうくらい、薄暗い館内は、青い光に包まれていた。上を見上げれば、巨大なジンベイザメが、優雅に泳いでいる。

「しゅごーい!!おっきい!!」

大きな目を、さらに丸くしながら、ユエが、泳ぐ魚を見ていた。

水槽に夢中のユエの後ろでは、テギョンが、ミニョの肩を抱き寄せて、ミニョの耳元で、小声で話しかけていた。

「…前に、新婚旅行で来たとき、たくさんの家族連れがいただろ。その家族連れが、羨ましくて、いつか、また、オレの家族を連れて行きたいと思っていたんだ…」

いとおしそうに、息子を見つめている、テギョンの瞳は、優しかった。

「…私も、嬉しいです。また、ココに、家族4人で、来れて…」

ミニョは微笑みながら、もうひとり、お腹にいる我が子に手を当てた。
安定期に入り、お腹の赤ちゃんは、元気に、お腹を蹴っている。

巨大水槽から場所を移動すると、今度は、熱帯魚のエリアに。

「ニモが、いっぱい!!」

次に、ユエが目を輝かせたのは、カクレクマノミの水槽だった。オレンジと白の縞模様のちっちゃな魚が、ピンク色のイソギンチャクに隠れながら、暮らしている。

「ニモって、なんだ?」

"ニモ"を知らないテギョンが、不思議そうに、ミニョに聞く。

「あぁ、ユエのお気に入りの映画のお魚の名前ですよ。」

「ふ~ん」

テギョンが知らないところで、息子は、色んなことを吸収し、覚えて、成長しているのである。



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teaの「美男ですね」-e234e058a9afc99e6e6c-1024.jpg

家族旅行(沖縄編)です。

前後編でお送りします。