「happiness」

「life」

*4*


今回は、つわりが辛いのか、ミニョが、朝から起きれず、ベッドで横になっている日がある。
目覚ましが鳴っても起きないミニョ。

「ミニョ、大丈夫か?辛かったら、寝てていいからな!無理して、動くなよ!オレが、ユエを保育園まで連れていくから」


テギョンは起き上がり、ミニョに、そう言うと、ユエを起こしに、子供部屋に入っていく。

「ユエ、おはよう。朝だぞ、起きろ」

まだ眠たそうに、目を擦っているユエ。

「ママはぁ?」

「ママは、寝てる」

「なんでぇ?」

「お腹が痛いんだ」

テギョンが、ユエのお腹を擦る。

「いたい、いたいの」

ユエは、テギョンがやったように、自分のお腹を擦ってみる。

「そうだ。だから、"シー"だ。寝かしてやろうな」
テギョンが、人差し指を、唇に当てる。
ユエも、人差し指を唇に当て、"シー"をしている。


着替えを済ませ、キッチンへ行き、朝ごはんの用意をする。

"朝から、ちゃんと食べないと、元気が出ませんよ!!"

ミニョの口ぐせで、どんなに眠くても、テギョンは、朝ごはんになると、ミニョに起こされてしまう。

今日の朝ごはんは、野菜ジュースと、フレンチトースト、ヨーグルト。

野菜ジュースは、お手製で、いつも、刻まれた野菜やフルーツが、冷蔵庫にストックされている。
その中には、テギョンとユエの嫌いなニンジンやほうれん草も、ちゃんと入っていた。
テギョンが嫌そうな顔をしながら、ミキサーに、ニンジンとほうれん草を突っ込み、飲みやすいように、リンゴを入れ、オレンジジュースを入れる。

「おすぅ」

ユエが、スイッチを押すと、ミキサーが回りはじめる。

フレンチトーストは、ユエの好みで、甘めに仕上げる。牛乳と卵、砂糖を混ぜたところに、パンを浸し、フライパンで、こんがり焼き上げる。

上手く、パンをひっくり返す、テギョン。

「ユエ、見てたか?」

"ううん"と、口を尖らせながら、首を横に振るユエ。
口を尖らせながら、テギョンが、お皿に出来上がったフレンチトーストを置いた。
ヨーグルトを付けて、朝ごはんの出来上がり。

「パパが作ったの、おいしいか?」

"うん"と頷くユエのお口の周りは汚れている。

「ユエ、ほら」

テギョンが笑いながら、ユエの口の周りを、ティッシュで拭く。
潔癖症のテギョンも、我が子の前では、ちゃんと父親の顔になっている。

「さぁ、もう時間だ。行くぞ」

靴を履かしてもらったユエは、テギョンに抱き上げられ、車に乗り込む。
テギョンの"あの"カッコいい青の外車のトランクには、チャイルドシートが入っている。後部座席にセットさせ、ユエを乗せる。

家から歩いても、そんなに時間は掛からない、保育園の距離を車で行く。

そして、すぐに着いてしまう保育園。
芸能人らしく、サングラスをかけて、颯爽とテギョンが車から降りると、ユエを抱き上げ、保育園に入っていく姿は、異彩を放っていた。


"キャー!!!"

保育園に入ると、送りに来たママさんたちや先生たちの黄色い声援が飛び交う。
ユエは、不思議そうに、その光景を見ている。

「ユエくん、おはよう。テギョンさん、おはようございます。」

ユエのクラスの先生がやって来る。

「おはようございます。今日も元気です。よろしくお願いします。」

テギョンが、サングラスを外し、ペコリと頭を下げ、挨拶をする。

「ユエ、行っておいで」

テギョンは屈むと、ユエと顔を合わせ、手を振ると、ユエもちっちゃな手を振ると、先生に連れられ、中へ入っていく。

また、サングラスをかけ、颯爽と帰っていくテギョン。

「テギョンさん、実物は、やっぱり、カッコいいわねぇ」

「うらやましいわ。あんなカッコいいダンナ様がいて。家のダンナなんて…」

ママさんたちは、1日中、そのハナシで盛り上がったそうな…。



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皆さま、ご存知ですか?最近、「イケだん」と言うコトバが…意味は「イケてるダンナ様」だそうですけど、仕事も出来て、家族思い、ファッショナブル…ウチのテギョンさんも「イケだん」に入れる…のかしら!!??


ちなみに、フレンチトーストは、映画の「クレイマークレイマー」から。ハナシの内容は、このハナシと真逆ですが、パパと息子に関しては、同じなんでね。参考にさせていただきました。