「Honey moon」
*20*
「ふたりの幸せ」
季節は、もう秋が訪れていた。
少しだけ、冷たさを感じる、沖縄の海風。
夕陽に染まる浜辺を、3人の家族が歩いている。
3歳になった愛息のユエ。
時折、しゃがんでは、浜辺に落ちている、貝殻やサンゴのカケラを拾っている。
テギョンが、優しい父親の顔で、息子を見ている。
ミニョが、ふたりから、少し遅れながら、ゆっくりとした足どりで歩いている。
ミニョが、いとおしそうに、少しだけ、ふっくらしたお腹に手を当て、オレンジ色に染まる海を眺めている。
「…ミニョ」
テギョンが、ユエを抱き上げると、ミニョのそばに、寄り添い、手を繋いだ。
「…大丈夫か?疲れてないか?」
ミニョの身体を気遣って、心配そうに聞いているテギョン。
ミニョが、ニッコリしながら、頷く。
「はい、ママ、コレ、あげゆ。」
ユエのちっちゃな手から、貝殻やサンゴのカケラを受け取るミニョ。
「いっぱいだね、ありがとう」
ミニョが、ユエの頭を、優しく撫でた。
久しぶりに、沖縄で、家族3人だけで、旅行に来た。
ふたりで一緒に行った場所を、今度は、ユエと一緒に…。
今日、ユエは、生まれて初めて水族館に行った。
あの青い海の世界で、泳ぐ魚の群れや、大きなジンベイザメを見て、目を丸くして、驚いていた。
初めて、広大な海を見て、怖がって、最初は、泣いていた。
あの頃の、辛く心苦い思い出は、消えることはないけど、また、新たな思い出が積み重なっていく。
全部、引っ括めて、ふたりにとって、かけがえのない大事な思い出ばかりだ。
大事なのは、"ふたり"一緒だと、言うこと。
これからも、お互い、繋いだ手が、離れることなく、ずっと、そばにいたい…それが、ふたりの願い。
ふたりで歩む、幸せな未来は、これからも、続いていく……。
★☆★☆
皆さまのアメンバー申請時のメッセージを拝見すると、「happiness」がスキですと言う方が、結構、いまして、エピローグとして、テギョンとミニョの愛息"ユエ"、久々の登場です。
ヾ(〃^∇^)ノ
しかも、ミニョのお腹には、新たな生命が…。