「ゴースト・エンジェル」
*11*
「新しい居場所」
アイツは、俯いたまま、泣いていた。
涙の雫が、ポタポタと膝へと落ちていく。
「…ミニョ、ココにいてもいいよ。今までいた場所に戻りたくないのなら、無理して、戻ろうとしなくていい。ミニョが喋れたように、記憶だって、そのうち甦ってくるかもしれない。それに、ココにいる間に、別の方法が見つかるかもしれないだろ…?」
気休めのようにしか聞こえない、シヌの言葉。
ジェルミも、シヌの言葉を聞きながら、うんうん頷いている。
おい、お前ら…そんな簡単に、コイツのこと、許可していいのか…?
このまま、この家に、取り憑くかもしれないぞ…?
そう考えただけで、ザワザワと、悪寒がした。
でも、コイツが、今までいた場所は、一体、どんな場所だったんだろう…。
俗に"天国"とかいう場所か…?
天国なんて、痛みも苦しみもない、穏やかで静かな場所のはずなのに…アイツは、戻りたくないと首を振っている。
"この世にだって、お前の居場所なんか、あるはずない!!"
…そう言ってやりたかったが、何処にいても、居場所がなく、ずっと、オロオロとしながら、所在なさげな顔をしているコイツを見てると、"少しだけ"可哀想に思えた。
「…はぁ…仕方ない。お前の居場所が見つかるまで、ココに居たらいいだろ…。ただし、これ以上、オレに迷惑をかけるなよ!!ただでさえ、お前みたいなヤツが現れて、オレは、迷惑しているんだからな…」
「…あ、ありがとう…ございます…。テギョンさん、シヌさん、ジェルミさん」
また、ウサギのように、目を真っ赤に潤ませながら、アイツが微笑んだ。
やっぱり、"ミニョ"より、"トッキ"の名前の方が、コイツに似合ってる気がする。
☆★★★
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「新しい居場所」
アイツは、俯いたまま、泣いていた。
涙の雫が、ポタポタと膝へと落ちていく。
「…ミニョ、ココにいてもいいよ。今までいた場所に戻りたくないのなら、無理して、戻ろうとしなくていい。ミニョが喋れたように、記憶だって、そのうち甦ってくるかもしれない。それに、ココにいる間に、別の方法が見つかるかもしれないだろ…?」
気休めのようにしか聞こえない、シヌの言葉。
ジェルミも、シヌの言葉を聞きながら、うんうん頷いている。
おい、お前ら…そんな簡単に、コイツのこと、許可していいのか…?
このまま、この家に、取り憑くかもしれないぞ…?
そう考えただけで、ザワザワと、悪寒がした。
でも、コイツが、今までいた場所は、一体、どんな場所だったんだろう…。
俗に"天国"とかいう場所か…?
天国なんて、痛みも苦しみもない、穏やかで静かな場所のはずなのに…アイツは、戻りたくないと首を振っている。
"この世にだって、お前の居場所なんか、あるはずない!!"
…そう言ってやりたかったが、何処にいても、居場所がなく、ずっと、オロオロとしながら、所在なさげな顔をしているコイツを見てると、"少しだけ"可哀想に思えた。
「…はぁ…仕方ない。お前の居場所が見つかるまで、ココに居たらいいだろ…。ただし、これ以上、オレに迷惑をかけるなよ!!ただでさえ、お前みたいなヤツが現れて、オレは、迷惑しているんだからな…」
「…あ、ありがとう…ございます…。テギョンさん、シヌさん、ジェルミさん」
また、ウサギのように、目を真っ赤に潤ませながら、アイツが微笑んだ。
やっぱり、"ミニョ"より、"トッキ"の名前の方が、コイツに似合ってる気がする。
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