「ゴーストエンジェル」
*8*
「酔っぱらい幽霊」
「さぁ、どうぞ。入って」
シヌさんが、一軒の家のドアを開けた。
テギョンさんに、結局、断りもなく、私は、この家に来てしまった。
「さぁ、遠慮しないで。」
その場で、困って、立ち尽くしてしまっている私の背中を、シヌさんがポンと手で押す。
中に入ると、きちんと片付けがされている広いリビングへと通された。
「名前をまだ聞いていなかったよね」
喋れない私のために、シヌさんが、紙とペンを用意してくれる。
"ミニョ"
唯一、自分が覚えていること。
「ミニョ…キミの名前は、ミニョなんだね」
ジェルミさんに聞かれ、私は、頷いた。
「よし、今日は、ミニョとテギョンヒョンのお祝いパーティーをしよう!!」
ジェルミさんが、スキップしながら、キッチンへと入っていく。
テーブルには、次々と、たくさんの飲み物や食べ物が並べられた。
私の前にも、グラスが用意される。
キュッ!!ポン!!
ジェルミさんが、ビンの栓を抜いた。
グラスの中に、琥珀色の液体が注がれると、ジェルミさんがグラスを掲げる。
「テギョンヒョンいないけど、いいよね!!カンパイ!!」
ゴクゴク…喉を鳴らしながら、美味しそうに、ジェルミさんが飲んでいる。
グラスに口を付けて、一口飲んでみる。
ん…?
甘くて、おいしい…かも…?
あまりにもの美味しさに、グラスの中の液体を飲み干してしまった。
「幽霊って…シャンパン飲めるんだ…さぁ、飲んで!!」
空になったグラスに、またジェルミさんが、シャンパンを注いでくれる。
うふふ…
なんだか、楽しくなってきたぁ
でも、飲んでいるうちに、どんどんと目蓋が重くなって、眠気が襲ってくる。
私は、そのまま、コテンと床に横になると、すぐに眠ってしまった。
☆★☆★
ミニョと言えば、"酔っぱらい"!!
飲み物くらいなら、飲めるかな…と、飲ましてしまいました。