イケメン版

「三銃士」

*66*(前編)




「ねぇ、ミナムぅ。妹は、何処に行っちゃったのさ?」

騎士団の集会場に、4人の姿がありました。
ミナムを入れ、彼らは、"四銃士"という名のもと、活躍を続けています。
ミナムは、今、ジェルミと食事中。大きなピザを、ふたりで取り合いしながら、食べています。

「さぁ?田舎にでも帰ったんじゃない?」

ミナムは、皿に残っていた最後のピザを口に運びます。

「あっ!!それ、オレの!!」

ピザを取られ、膨れっ面のジェルミ。

「早く食わないのが、悪いんだよ!!」

ミナムは、アッカンベーをすると、ニヤリと笑います。

"アイツら、ギャーギャーうるさいんだよ!!"

テギョンが口を尖らせながら、ふたりの様子を離れた場所から、睨むように見ています。

ミナムの顔を見るたびに、思い出す、同じ顔…。

テギョンは、ミナムの顔を見るたびに、知らず知らずに、ため息をついてしまい、テギョンは、わざと、ミナムと距離をとって、過ごしていました。

テギョンが、前に、ミニョに、『ミナムが戻ったら、どうするか』を質問したとき、彼女は…

『兄が見つかったら、故郷に帰ります。コ・ミナムは、ひとりで十分ですから…』

そう答えていました。

テギョンは、その時は、ミニョがいなくなることは、厄介事が減り、清々出来るはずだったのに、今は、いなくなって、"つまらなさ"を感じていました。

毎日、問題ばかり起こす"コ・ミナム"という存在。 最初は、テギョンは、断固拒否をしていたのに、どんな困難が待ってようが、立ち向かおうとする真摯な姿に、いつの間にか、受け入れている自分がいました。

ふと、テギョンの視線の先には、今、ココにいるホンモノのミナム。

屈託なく笑うミナムの顔は、ミニョの笑顔とダブって見えます。

テギョンが、ミニョの笑顔を振り払うように、首を振ります。

"アイツは、オレとの1ヵ月という約束を律儀に守って、故郷に帰ったんだ。もう、ココには、戻ってこない…だから、会わない方がいい…"

それでも、胸が苦しくなるような、淋しさが、テギョンを襲います。

"この痛みも、そのうち、時間が経てば、無くなる…。"

シヌは、お茶を飲みながら、テギョンを、じっと見てました。

"ミナムを見ては、ため息をつくテギョン。
きっと、ミニョを思い出しているんだ…
でも、アイツは、素直じゃないから、ミニョが"スキ"だと言う事実を受け入れられないでいる。
おい、テギョン…
いつまで、そうしてるんだ…?
動かなきゃ、何も始まらないぞ?"

ずっと悶々しているテギョンに、シヌは、少し、苛立ちを感じていました。

シヌが、立ち上がり、テギョンの元に行こうとしたとき…

「少し、出掛けてくる」

テギョンは、そう言うと、外へ出ていきました。



★☆★☆

ちょっと、長くなりそうなので、前後、分けます。

テギョンの行き先は、何処へ…?