イケメン版
「三銃士」
*65*
テギョンは、ゆっくりと立ち上がります。
こんな自分でも、"生きてほしい"と願い、守ってくれたミニョ。
その勇気と優しさが、テギョンを突き動かします。
テギョンは、再び、剣を握ると、腕を真っ直ぐ伸ばし、剣先を、目の前にある、ジェシンの首筋を狙います。
「ジェシン!!!コイツから手を放せ!!」
テギョンが、低い声で唸るように言います。
テギョンが、ミニョの腕を掴み、引っ張ると、庇うように、自分の後ろに身を隠させます。
テギョンが、後ろを振り向くと、額に玉のような汗をかき、痛みに耐えながらもミニョが、テギョンを見上げ、少しだけニコッと笑顔をつくり、頷きます。
その姿が、テギョンには、いじらしく見え、胸が締め付けられるような痛さを感じていました。
テギョンは、また、前を向き、ジェシンを見据えます。
「…オレは、生きて、一生、この罪を背負いながら、償っていくつもりだ。ジウォンを忘れないためにも…」
テギョンが、ジリジリとジェシンに迫っていきます。
「こんなんじゃ、復讐が出来ないじゃないか!!!もっと、苦しめよ!!足掻けよ!!!」
ジェシンが、正気を失い、形振り構わず、剣をブンブン振り回します。
「悪いな、ジェシン…。オレは、生きていかなきゃ、いけない理由が出来た…ドジばっかり起こす厄介者の世話をしなきゃいけないんだ。それは、オレにしか出来ないことだ…。」
テギョンが、どこか、吹っ切れたような、清々しそうな顔を見せます。
「ジェシン、終わりだ」
テギョンは、剣を構えると、ジェシンの腹を突き刺します。
呻き声をあげながら、その場に崩れ落ちるジェシン。
「急所は、外してやった。これ以上、罪を重ねたくはない。ジウォンが、悲しむからな…」
テギョンは、剣についた血を拭うと、鞘に収めます。
テギョンは、ミニョの元に戻ると、布を取り出し、すぐに、ミニョの肩を止血します。
「…バカだな…なんで、無茶するんだよ…」
憎まれ口を叩きながら、手早く、ミニョの傷を応急措置をする、テギョンの顔は、どこか、優しく微笑んでいるように見えました。
「ありがとうございます…すみません…」
ミニョは、口をすぼめると、恥ずかしそうに、俯いてしまいます。
「あったよーー!!!」
ジェルミがスキップをしながら、テギョンの元に戻ってきます。
後から来たシヌの手には、キラキラと輝きを放つダイヤの首飾りがありました。
「ミニョ、大丈夫か!!」
ミナムが遅れて、女王の間に入ってきます。
「怪我してるじゃんか!!早く帰って、手当てしないと!!」
ミナムが、ミニョを立たせます。
「お前ら、何、やってんだよ!!早く、帰るぞ!!」
まじまじと、三人が、ミナムとミニョを見ています。
ジェルミ「ソックリだ…でも、何かが、違う…」
シヌ「雰囲気が違うかも…ミニョの方が、やっぱり、女だから柔らかく見える」
「ごちゃごちゃ、言ってないで、帰るぞ!!!」
テギョンが、口を尖らせながら、歩いています。
…そして
アン王の元に、首飾りが無事に戻ってきます。アン王は、嬉しいはずなのに、どこか、寂しそうな顔をしています。
マ室長は、ホンモノのコ・ミナムが来て、大喜び。
コ・ミナムは、今回の任務の活躍により、正式に"近衛銃士"のひとりとして、認められ、"叙任の儀式"が行われます。
しかし、その式の中に、妹のミニョの姿は、何処にもありませんでした。
ミニョは、肩の傷が治癒してから、忽然と、何も言わず、姿を消してしまったのです。
その日は、ちょうど、テギョンとの約束の1ヵ月が経った日でした。
☆★☆★
えーっと、明日、最終話予定。
「三銃士」
*65*
テギョンは、ゆっくりと立ち上がります。
こんな自分でも、"生きてほしい"と願い、守ってくれたミニョ。
その勇気と優しさが、テギョンを突き動かします。
テギョンは、再び、剣を握ると、腕を真っ直ぐ伸ばし、剣先を、目の前にある、ジェシンの首筋を狙います。
「ジェシン!!!コイツから手を放せ!!」
テギョンが、低い声で唸るように言います。
テギョンが、ミニョの腕を掴み、引っ張ると、庇うように、自分の後ろに身を隠させます。
テギョンが、後ろを振り向くと、額に玉のような汗をかき、痛みに耐えながらもミニョが、テギョンを見上げ、少しだけニコッと笑顔をつくり、頷きます。
その姿が、テギョンには、いじらしく見え、胸が締め付けられるような痛さを感じていました。
テギョンは、また、前を向き、ジェシンを見据えます。
「…オレは、生きて、一生、この罪を背負いながら、償っていくつもりだ。ジウォンを忘れないためにも…」
テギョンが、ジリジリとジェシンに迫っていきます。
「こんなんじゃ、復讐が出来ないじゃないか!!!もっと、苦しめよ!!足掻けよ!!!」
ジェシンが、正気を失い、形振り構わず、剣をブンブン振り回します。
「悪いな、ジェシン…。オレは、生きていかなきゃ、いけない理由が出来た…ドジばっかり起こす厄介者の世話をしなきゃいけないんだ。それは、オレにしか出来ないことだ…。」
テギョンが、どこか、吹っ切れたような、清々しそうな顔を見せます。
「ジェシン、終わりだ」
テギョンは、剣を構えると、ジェシンの腹を突き刺します。
呻き声をあげながら、その場に崩れ落ちるジェシン。
「急所は、外してやった。これ以上、罪を重ねたくはない。ジウォンが、悲しむからな…」
テギョンは、剣についた血を拭うと、鞘に収めます。
テギョンは、ミニョの元に戻ると、布を取り出し、すぐに、ミニョの肩を止血します。
「…バカだな…なんで、無茶するんだよ…」
憎まれ口を叩きながら、手早く、ミニョの傷を応急措置をする、テギョンの顔は、どこか、優しく微笑んでいるように見えました。
「ありがとうございます…すみません…」
ミニョは、口をすぼめると、恥ずかしそうに、俯いてしまいます。
「あったよーー!!!」
ジェルミがスキップをしながら、テギョンの元に戻ってきます。
後から来たシヌの手には、キラキラと輝きを放つダイヤの首飾りがありました。
「ミニョ、大丈夫か!!」
ミナムが遅れて、女王の間に入ってきます。
「怪我してるじゃんか!!早く帰って、手当てしないと!!」
ミナムが、ミニョを立たせます。
「お前ら、何、やってんだよ!!早く、帰るぞ!!」
まじまじと、三人が、ミナムとミニョを見ています。
ジェルミ「ソックリだ…でも、何かが、違う…」
シヌ「雰囲気が違うかも…ミニョの方が、やっぱり、女だから柔らかく見える」
「ごちゃごちゃ、言ってないで、帰るぞ!!!」
テギョンが、口を尖らせながら、歩いています。
…そして
アン王の元に、首飾りが無事に戻ってきます。アン王は、嬉しいはずなのに、どこか、寂しそうな顔をしています。
マ室長は、ホンモノのコ・ミナムが来て、大喜び。
コ・ミナムは、今回の任務の活躍により、正式に"近衛銃士"のひとりとして、認められ、"叙任の儀式"が行われます。
しかし、その式の中に、妹のミニョの姿は、何処にもありませんでした。
ミニョは、肩の傷が治癒してから、忽然と、何も言わず、姿を消してしまったのです。
その日は、ちょうど、テギョンとの約束の1ヵ月が経った日でした。
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えーっと、明日、最終話予定。