イケメン版

「三銃士」

*49*




ミナムは、チリチリと痛みはじめた胸を押さえたまま、部屋を出て行きます。
なかなか、治まらない胸の痛み…。

「み、水、飲めば、良くなるかな…?」

シヌとジェルミが待っている食堂に行くと、カウンターで、水を貰います。
コップに入った水を、一気に飲み干すミナム。
しかし、良くなるような感じはしなく、"はぁー"とため息をついて、首を傾げてしまいます。

「遅くなった」

背後から、テギョンの声が聞こえ、また、ミナムの胸がドキッと跳ね上がります。

"なんで、どうして…?"

テギョンと顔も合わせられないミナムは、顔を、背けてしまいます。

そんな、ミナムの様子を、怪訝そうに口を尖らかして見ているテギョン。

「偵察に行くぞ!!」

テギョンが、そう言うと、宿屋を出て行ってしまいます。

シヌは、出て行ったテギョンとミナムを、交互に見ます。

"何が、あったんだ?ふたりの様子がおかしい。特に、ミナム。朝から様子が変だ。"

未だに、その場で固まったまま、動こうとしないミナム。シヌは、ポンポンとミナムの肩を叩きます。

「行くよ、ミナム」

「あっ、はい。すみません」

ミナムは、歩きながら、胸に手を当てると、胸を擦ります。

"大丈夫。そのうち、良くなるはずよ"



4人は、隣国付近まで、行ってみることにします。

隣国の入口には、高い鉄の塀と固く閉ざされた鉄の門がありました。
その前には、警備兵が配置されて、厳重に取り締まりを行っています。

シヌ「夜に強行突破するのは、難しそうだな…」

ジェルミ「なんか、運搬とかしてないかな?」

テギョン「確か、近くに、船着き場があったよな…運搬用の舟に乗り込んでみるか…」

ミナムは、話にも付いていけず、黙って、話を聞くしかありません。

"決定したら、即行動"が騎士団の掟で、3人が、すぐに行動へと移ります。

ミナムは、ついていくだけで、精一杯です。

乗ってきた愛馬は預かってもらい、徒歩で、船着き場まで向かいます。

船着き場に着くと、船乗りに話を聞きます。

「隣国に入国する船はあるか?」

ひとりの船乗りが答えます。
「それなら、2日後の早朝に一艘だけ、ココに停泊する船があるよ」

「そうか、ありがとう。」

テギョンが、船乗りに礼を言うと、顔を引き締めます。

「…決まったな。2日後だ」


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明日は、50話です…。
長いハナシになってしまいました…。
(゜□゜;)
まだ、続きますので…もうしばらく、お付き合いくださいませ。