イケメン版

「三銃士」

*47*




翌朝、ミナムが、目を覚まします。

ミナムが目を開けると、目の前の光景に驚き、声をあげそうになり、慌てて、手で口を覆います。
ミナムの目の前には、テギョンの寝顔が間近にありました。

"なんで…なんで…どうして…"

ミナムは、驚きと緊張で、ドキドキと高鳴る心臓を落ち着かせると、身体を起こします。

ミナムが、テギョンの様子を伺うと、まだ寝息を立てて、眠っていました。

"寝てるときのお顔は、優しそうに見えるんですね…それにしても、本当に、キレイな顔をしてますねぇ…"

長いまつげ、すーっと筋の通った鼻、薄い唇…

ミナムは、まじまじと、テギョンの寝顔を見つめていました。

テギョンが、ゆっくり眠りから覚まし、目を開けます。
ミナムが、ビックリして、思わず、顔を逸らします。

「………ん」

寝ぼけて、焦点の合わないテギョンの目が、眩しそうに、ミナムを見ています。

「…ジ…ウォ…ン…?」

「…へ?」

テギョンが、ミナムの腕を掴み、強い力で、引き寄せます。

「あっ…!?」

ミナムは、バランスを崩し、テギョンの胸に倒れてしまいます。
テギョンが、倒れたミナムを、ギュッと抱き締めます。

「…テギョンさん!!人違いです!!離してください!!」

力強く抱き締められたミナムは、顔を真っ赤にしながら、テギョンの胸を叩きます。

「…ジウォン。…悪かった。許してくれ…」

テギョンは、腕の力を弱めることなく、小さな声で囁きます。

「…テギョンさん…?」

ミナムが、顔を上げると、テギョンの目から、一筋の涙が頬を伝っていました。

ふいに、テギョンとミナムの視線が合います。

何も言えず、動くことも忘れ、ただ、テギョンを見ているミナム。

"どうして、どうして、そんな、悲しそうな顔をしているんですか…?"

ミナムは、胸が締め付けられるような痛さを感じていました。



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