イケメン版

「三銃士」

*46*




ミナムが、真っ直ぐに指を差した相手は…。

「はぁ…?オレかよ…」

テギョンが、ミナムの真っ直ぐ伸びた指を見て、大きなため息をつきます。

「…お、お願いします」

ミナムが、すまなそうな顔で、頭を下げています。

「ミナムは、テギョン兄貴と一緒でいいんだね。シヌ兄貴、部屋に行こう。もう、疲れたから、寝たいんだよ。じゃあね、おやすみ」

ジェルミが、宿主から部屋の鍵をもらい、欠伸をしながら、階段を上っていきます。

「おやすみ、ミナム」

心配そうにミナムを見ていたシヌが、ジェルミの後をついていきます。

口を尖らしたテギョンが、宿主から、部屋の鍵を受け取ります。

ちらりとミナムを見て、テギョンが、階段を、そそくさと、上っていきます。

ミナムは、口をすぼめて、項垂れたまま、テギョンについていきます。

部屋の中を見たふたりは、唖然としてしまいます。
二人部屋と言っても、シャワートイレ付きで、とても狭く、ベッドは、横並びで、くっついている状態で、部屋の中に、ギューギューに収まっていました。

チッと、テギョンの不満そうな舌打ちが聞こえ、ミナムが、肩を竦めます。

「…すみません。」

テギョンは、ミナムを無視すると、部屋の中に入り、シャワーを浴びに行ってしまいます。

ミナムは、所在なさげに、部屋をうろうろとしてましたが、意を決して、布団に入って寝ることにしました。
ベッドの端に、横になると、頭まで布団を被り、小さく身体を丸め、目をギュッと閉じます。

そのうち、疲れもあったせいか、ミナムは、すぐに、夢の中へと入っていきました。

テギョンが、シャワーを終え、部屋に戻ると、すでに、ミナムは、スースー寝息を立てて眠っていました。

"はぁーー!?コイツ、状況をわかってるのか?一応、その気はなくとも、男と女だぞ…もう少し、警戒しろよ…"

テギョンは、ベッドにドカッと座ると、濡れた髪をタオルで乾かします。

横を見ると、背を向けて寝ていたミナムが、ゴロンと寝返りをうちます。
無防備なミナムの寝顔を、テギョンが、ため息をつきながらも、まじまじと見つめていました。

"まぁ、コイツは、オレが頼りみたいなとこもあるようだし…。不思議と、厄介者のコイツと一緒にいても、悪い気はしないんだよな…"

テギョンが、片方の口角を少し上げると、ベッドに横になり、目を閉じます。
テギョンは、ミナムの寝息に導かれるように、眠りへと就きました。



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