イケメン版

「三銃士」

*40*

「願い」


テギョンは、ミナムを部屋まで運び、ベッドに寝かせます。

何かを耐えるように、拳をギュッと握って、苦しそうに、眉間に皺を寄せるミナム。

テギョンは、タオルを濡らすと、ミナムの額、頬に当て、冷やしていきます。

テギョンは、苦しそうな息づかいのミナムの呼吸を楽にさせようと、躊躇いながらも、ミナムのシャツのボタンを胸元まで外していきます。

女性らしい、白く透き通るような肌に、テギョンが、思わず、ゴクッと喉を鳴らします。

テギョンが、邪念を振り払うように、首を振ります。

"断じて、やましいことは、してない。コイツが、苦しそうだから、仕方がなくやってるんだ"

テギョンが、口を尖らしながらも、首筋や胸元にも、タオルを当てます。

幾分、ミナムの苦しそうな息づかいが良くなり、ホッと安堵するテギョン。

そのとき、部屋のドアをノックする音が聞こえ、テギョンが、ドアを開けると、マ室長の姿がありました。

マ室長は、ベッドに横たわるミナムを見ると、ミナムのシャツの胸元がはだけており、マ室長が、抗議の目で、テギョンを見ます。

「テギョン!!病人相手に、何、やってんだ!!!」

ミナムの胸元を指すマ室長。

「勘違いするな、マ室長。アイツに対して、全くもって、興味はない。で、何の用だ?」

テギョンは、不満そうに、口を尖らし、マ室長を睨みます。

「悪かった、悪かった。まさかと思っただけだ。ちょっと、引っ掛かったことがあってな…実は、本物のミナムの居場所が、わかったんだ。」

「それが、どうした?」

「隣国にいるらしいんだ。そこにいるミナム…いや、ミニョさんが、教えてくれた。きっと、これから、隣国と接触する機会も多くなる。」

マ室長が、突然、テギョンの足下で、土下座をします。

「テギョン、この通り!!お願いだ!!ミニョさんを、守ってほしいんだ!!きっと、ミナムを見つけるためなら、ミニョさんは、きっと、無茶をするに違いない…。俺の無茶な願いを、彼女は、叶えてくれた。だから、出来るだけのことは、助けてやりたいし、無事に、故郷に帰してやりたい。だから、頼む!!」

マ室長が、床に頭をつけ、懇願をします。

テギョンは、うんともすんとも言わず、マ室長を見ていました。



☆☆★★

マ室長の"願い"、果たして、テギョンは、どうするんでしょうか…。