イケメン版

「三銃士」

*30*




「…はい」

ミナムが、口をすぼめると、ちょこちょこ歩きながら、テギョンの元へ行きます。
ミナムの後ろ姿を、シヌは、心配そうな顔で見つめていました。

ミナムが、テギョンと向かい合わせに立ち、お辞儀をします。

テギョンが、片方の口角をあげると、手を前に出すと、人差し指を曲げます。

「どこからでも、かかってこい!!」

その顔は、余裕の笑みを浮かべています。

「よろしくお願いします!!」

ミナムが、気合いを入れて、テギョンに向かって、剣を振ると、テギョンは、意図も簡単にミナムの剣をなぎ払います。その反動で、地面に尻もちをついてしまうミナム。

「フン、もう終わりか?」

テギョンが、剣先をミナムの鼻先に持っていきます。

「大丈夫です。」

ミナムは立ち上がり、また、剣を構えます。

テギョンは、また、ミナムを狙い、剣を振ります。
ミナムは、手も出せずに、剣を構え、防御したまま、また地面に倒れてしまいます。

「ほら、立て!!」

容赦ないテギョンの罵声。
また、ヨロヨロと立ち上がり、剣を構えるミナムは、すでに、息があがり、何度も地面に倒れて、身体は打ち身だらけの状態です。
そんな状態でも、「参りました」を言わないミナム。テギョンの厳しいスパルタレッスンは、大の男ですら、すぐに音を上げるのに ミナムは、弱音を吐かずに、「痛い」も言わずに、立ち上がります。

"我慢強さだけは、認めてやるか…"

テギョンが、フーッと息を吐くと、腰に、剣を仕舞います。

「今日は、これまで。」

「ありがとうございました。」

ミナムが、頭を下げます。
ジェルミが、ミナムの元に走ってきます。

「スゴイよ!!ミナム!!テギョン兄貴のスパルタレッスンは、ほとんどの奴らが、耐えきれなくて、参るのに!!」

ジェルミが、ミナムの肩をガシッと力強く組みます。

「よし!!今日は、裸の付き合いで、一緒に汗流しに行こう!!実は、騎士団の訓練所には、大きな浴室とサウナも付いているんだ!!広々として、ゆっくり出来るんだ。」

"えぇぇぇ…一緒にお風呂なんて……無理ですぅぅぅ"

ジェルミが満面の笑みで、半泣きのミナムの肩を持ちながら、ぐいぐいと、逃げ出さないように、力強く引っ張っていくのでした。



★☆★☆

さぁ、ジェルミに強制連行されたミナムの運命は…!?