イケメン版
「三銃士」
*22*
「縁(えにし)」
カツカツと、教会に響く靴音。
ミナムは、祈りを止めると、後ろを振り向きました。
「コ・ミニョさん…?また、お会いしましたね。」
そこには、柔和な笑顔を浮かべるジェシンの姿がありました。
片手には、白い百合の花束を抱えています。
ジェシンを見ながら、不思議そうに首を傾げる、ミニョ。
「…ジェシンさん、貴方が、どうして、この国にいるのですか…?」
隣国の騎士であるジェシンが何故、ココにいるか、ミニョには理解出来ませんでした。
「あぁ…今日は特別に許可を貰って来ているんです。」
ジェシンが、片手に抱えている花束を見ながら答えます。ミニョは、前に宿屋で会った時とは、雰囲気が違うジェシンに、少し驚きます。
「ミニョさんは、どうしてココに…?」
「舟を…待っているんです。時間が空いてしまったので…」
「そうですか…それなら、少し話をしませんか?」
ジェシンは、ミニョを椅子に座らせます。
「ミニョさん…付かぬことを伺いますが…あなたに、双子のお兄様はいらっしゃいますか…?」
「えっ…?どうして、それを…?」
「双子のお兄様がいるのですね。」
もう一度、ジェシンがミニョに確認をします。
ミニョが、ゆっくりと頷きます。
「……あの、兄を見たのですか…?何か、知っているのなら、教えてくださいませんか…?」
今にも泣き出しそうな顔で質問をするミニョにジェシンが心配そうに聞きます。
「何か、あったのですか…?」
「…実は、兄が行方不明なのです。街に行けば、情報があるかと思ったのですが…全然、なくて…」
「そうですか…私もはっきりとは言えないのですが、あなたのお兄様を、我が国で、見掛けたのです」
突然、グスグス泣き出すミニョ
「良かったぁ…兄は生きてるんですね…」
心配そうにミニョを見つめるジェシン。
「あぁ…ごめんなさい…安心してしまって…」
ミニョが、慌てて、涙を指で拭います。
「ミニョさん、安心するのは、まだ早いです。彼は、密入国していることになってしまうのですから…見つかったら、どうなることか…」
ミニョが、ショックを受け絶句してしまいます。
「出来れば、あなたのお役に立ちたい。国の立場としては、敵同士になっていますが…」
ジェシンが、柔和な笑みを浮かべながら、ミニョの手を両手で握り締めます。
ミニョは、困惑した顔で、ジェシンを見ています。
「あなたを助けたいだけなんです。昔、私に、恋人がいました。今日は、その恋人の命日なんです。今日、ここで、また出会えたのも、何かの縁(えにし)でしょう…。きっと、私の恋人があなたを助けたいと思っているのかもしれません。大丈夫。私を信じてください。」
ギュッと、ミニョを優しく握る温かいジェシンの手。真摯に見つめる瞳を見ながら、ミニョはコクリと頷きました。
☆★☆★
ジェシン再登場です。
ジェシン、このコトバに裏があるか…どうか。
ジェシンの性格は、テギョンとシヌを足して、2で割ると言う…いいとこ取りです(笑)任務中のときは、テギョンのような雰囲気で、ミニョと一緒のときは、シヌみたいな優しさで。
いいでしょ…?(´m`)
でも、所詮、カレは国の敵ですから、それに、テギョンのライバルですから、ね、そのうち…ね、どうしようかな…と考え中。
とりあえず、ミニョを戻さないと。