イケメン版
「三銃士」
*21*
その頃、テギョンは…と言うと、自室に籠っていました。
ガタガタと身体を震わせて泣いているミナムの姿がチラチラと頭を過(よぎ)っていました。
"…言い過ぎたか?"
"……いや…このオレに…嘘をつきやがったから、アイツが悪い…。だが…何のためにアイツは、この騎士団に入ってきたんだ…?"
悶々とする考えを、自問自答しながら、答えを導こうとするテギョン。
"アイツのことは、気にするな…アイツは、出ていくんだから…"
ミナムは、シヌが部屋を出ていってから、ベッドから下りると、身支度を整えはじめました。
持ってきた荷物は少なかったので、荷物を詰めるに、さほど時間が掛かりませんでした。
ミナムは、マントのような布で身体を纏(まと)うと、荷物を隠すように持ち、部屋を出ていきます。
宿屋を出ると、ミナムは、船着き場へと向かいます。馬車は、短時間で着くのですが、お金がかなり掛かるため、庶民のほとんどは、街の川を流れる舟を利用してました。
ミナムが着いた時には、舟はなく、舟を待つしばらくの間、近くの教会で、休むことにしました。
ミナムにとっては、久しぶりに訪れる教会でした。
重い扉を開けると、静寂な空気に包まれます。
礼拝堂の祭壇には、大きな十字架があり、その前で跪き、祈りを捧げる人もいます。
ミナムも、床に跪くと、手を組むと、静かに目を閉じ、祈りを捧げます。
そのとき、静かな礼拝堂にカツカツと言う独特な靴音が響いていました。
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