イケメン版
「三銃士」
*15*
ジェルミの背後から、冷ややかな声。
ジェルミは、背後から感じる冷たい視線に、肩をビクンと震わせます。
「う゛…テギョン兄貴。」
ジェルミが、顔を強ばらせながら、後ろを振り向きます。
そこには、皮肉めいた笑顔を浮かべるテギョンがいました。
適当に、空いてる席に座るテギョン。
「おい、シヌ。お前、何を話してた?」
「いや、別に。テギョン、何か、飲むか?」
「別に、いい」
シヌに話を逸らされたテギョンは、不満そうに口を尖らせていると、テギョンの肩が、急に重さを感じます。
テギョンが横を振り向くと、そこには、ミナムの頭が…ミナムは、気持ち良さそうに、スースーと寝息をたてて眠っていました。
「おい!!コ・ミナム!!起きろ!!」
テギョンの口が、不機嫌そうに更に尖ります。
テギョンが、ミナムの身体を、向こう側へ押し返すと、ミナムは、ゴンと派手な音をたてて机に頭をぶつけても、それでも起きずに、机に突っ伏したまま寝ていました。
「ミナムって、石頭…?全然、起きないじゃん」
ジェルミが、ミナムの頬をツンツン指で突っついています。
「たぶん、疲れてるんじゃないのか?今日は、初任務だったし、緊張もしていたんだろ…。これだと、朝まで起きそうにないし、宿に連れて帰らないとな」
シヌが、席を立ち上がり、ミナムの肩を抱え起こそうと手を伸ばすと、テギョンがその手を制しました。
「シヌ、お前、飲んでるだろ。オレが連れて帰る」
驚いたシヌとジェルミが、一斉にテギョンの顔を見ます。
"どういう風の吹き回しだ、テギョン?お前が、そんなこと、言うはずもないのに…"
シヌが黙って、テギョンを見ていると、テギョンと目が合います。
「…なんだよ」
テギョンが、ふたりを睨むと、いかにも面倒くさそうに口を尖らせながら、乱暴にミナムを、抱え起こしました。
思った以上に軽いその身体に驚いてテギョンが、ちらりとミナムを見ます。
テギョンがミナムを背負うと、男とは違う柔らかい感触が、背中越しに伝わります。
"コ・ミナム…やっぱり、お前、女なのか…?"
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