イケメン版
「三銃士」
*14*
「ふたりの過去」
初任務を終えたミナムは、下宿屋に帰り、男の格好に戻ると、ジェルミとシヌに連れられて、近くのパブにいました。
「コ・ミナム、初任務お疲れさまぁ!!それでは、乾杯!!」
ジェルミが、ニッコリ笑顔で、ビールが入ったジョッキを高々と、上に掲げました。
「ミナム、また飲みすぎると、前みたいに、二日酔い起こすから、あんまり飲むなよ」
シヌが、酒を飲むミナムを見ながら、注意をします。
「シヌさん、今日、宿屋でお会いした、ジェシンってどんな方、なんですか?」
ミナムは、シヌに聞きます。
「えっ!?ミナム、あの有名な"黒騎士"を知らないの?」
ジェルミが目を丸くしながら驚いて、ミナムを見ています。
「…はい、すみません。」
申し訳なさそうに、頭をペコリと下げるミナム。
「ジェシンは、隣国の騎士団隊長。でも、昔は、この国にいたんだ。」
シヌが、乾いた喉を潤すように、酒を一口、飲むと、話しはじめます。
「昔、オレが騎士団の入団試験を受けたとき、ジェシンとテギョンも、そこにいたんだ。ふたりは、互角で、上位を争っていた。その頃は、ジェシンもテギョンも、まだ、お互いを認めあっていた、いいライバルみたいな感じだったかな…。任務を任せられてから、よく、ふたりの意見は、反発し合ったんだ。まだ、それくらいならいい。任務が成功すれば、解決するものだから。でも、もっと厄介なことがあったようで、まだ、埋まりそうな溝が、徐々に深まってしまい、修復が出来なくなり、決別。ジェシンが出て行き、テギョンが残った。ある任務で、久々に会った、ジェシンは、隣国の騎士になっていた…。」
シヌが、遠い記憶を見るように、愁いを含んだ瞳で、遠くを見てました。
「そんな話、知らなかった…オレが入った頃には、ジェシンが出て行ったあとだし…厄介事って…何?やっぱり…」
ジェルミが、小指を立てます。
「女絡みだな、たぶん。」
「テギョン兄貴にも、そんな恋沙汰があっただなんて…意外…」
可笑しそうに、クスクス笑い出すジェルミ。
「何が、意外だと…ジェルミ…?」
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