短編

イケメン版

「モモタロウ」

*3*

「サル編」

イヌのシヌをお供に、テギョタロウが、道を歩いてると、目の前に一匹?のサルが立ち塞がります。


「よーく聞け!!俺様の名前は、斉天大聖孫悟空様だ!!!」

そこには、頭に緊固児(輪っか)と片手に如意棒を持ったジェルミの姿『…って、すみません。スタッフさ~ん!!あのぉ、ジェルミがとんだ勘違いをしてるみたいなんですよぉ…早急に、頭の輪っかと、如意棒を取り上げて、代わりに、サルの着ぐるみ、着せてください!!』

「なーんーで!!!孫悟空やりたかったのに!!!如意棒、振り回したいぃ!!!」

『あのぉ…ジェルミさん、テギョタロウさんのご機嫌が、あんまり、よろしくないみたいなんで…巻いてください。(業界用語で「早くしろ」)』

「あぁ…ヒョン、ゴメン。」

『ちなみに、テギョタロウさん、待たされてるのがイヤみたいで、不機嫌そうに、口を尖らしてるんですよ…。そろそろ、ジェルミが、普通のサルに戻ったので、続けます。では、ジェルミ、セリフをどうぞ。』


「あのぉ、テギョタロウさん、きびだんごください。」

「やらん!!」

「そこをなんとか。あのぉ、あなたに、どこまででも、ついていきますから。」

とうとう土下座をはじめたサルのジェルミ。

「やらん!!」

『…テギョタロウさん、いい加減、サルにきびだんごくれなきゃ、話が進みません!!』

テギョタロウが、不機嫌そうに、口を尖らしながら、サルに、きびだんごをあげます。

「ありがとう。テギョタロウさん」

サルのジェルミが、嬉しそうな笑顔を浮かべます。


"やれやれ"と、ずっと、静かにふたりの様子を見ていたイヌのシヌが、サルのジェルミのそばに寄ると、肩をポンポンと優しく叩きます。

そんな二匹(ふたり)をよそに、テギョタロウが、さっさと、歩きはじめます。


サルのジェルミをお供に連れて、テギョタロウの旅は、まだ続くのです。


★☆★☆

とんだ勘違いのサルのジェルミ登場。

おかげで、テギョタロウさんのご機嫌が悪くなってしまい、スタッフの皆さま、てんてこ舞いで、大変でしたのよ。( ̄▽ ̄;)

お次は、キジさんですね。
次回も、お楽しみに。