短編

イケメン版

「モモタロウ」

*1*


むかーし、むかーし、フニじいさんと、ミニョばあさんがいました。

フニじいさんは、山に芝刈りに、ミニョばあさんは、川に洗濯にいきました。


ミニョばあさんが、川で洗濯をしてると、どーんぶらこ、どーんぶらこ、と大きな桃が流れてきました。
ミニョばあさんは、「よっこいしょ」と、桃を拾うと、家に持って帰ります。


「おじいさん、川で洗濯してたら、桃を拾ったんですよ。一緒に食べましょう」

フニじいさんが、包丁で、桃を真っ二つに割ると、中から、男の赤ん坊が。

ふたりは、赤ん坊に「テギョタロウ」と名付け、わが子のように、育てました。

月日は流れ、立派な青年に育ったテギョタロウ。

その頃、村の民は、鬼ヶ島のオニたちに、困っていました。

「なぁ、テギョタロウ、鬼ヶ島に行って、オニを倒してくれないか?ココには、じじばばしかおらん。どうか、助けてくれ。」

「イヤだ。オレは、ミニョから離れたくない。」

「はぁ…テギョタロウ、状況を理解してないようだが、ミニョさんは、今は、ワシの妻だぞ。」

「うるさいなぁ。じいさんは、黙ってろ。ミニョは、あんなじいさんより、若い男の方がいいだろ?」


テギョタロウが、ニヤリと口角をあげながら、ミニョばあさんを誘惑します…って『ちょっと!ちょっと!!ちょっと!!!テギョタロウさん…何してるんですか!!!人妻を誘惑しないでください!!ミニョちゃんが困ってます!!役に戻ってください!!!』


「チッ、わかったよ。ミニョ、特製のきびだんご作ってくれ。」

「はい」

テギョタロウは、頭のてっぺんで、髪を結び、甲冑を身につけてます。

「テギョタロウ、これも持ってけ」

フニじいさんが、手にしたのは、「日本一」ならぬハングルで書かれた「韓国一」の旗と、ハチマキを差し出します。

「そんなの恥ずかしくて、つけるか!!もう行く!!!」


ミニョばあさんから、きびだんごの袋を受け取り、「行ってくる」と、チュッと軽く額にキスをするテギョタロウ。

顔を真っ赤にしているミニョ(ばあさん)とフニじいさんに見送られて、冒険の旅へと出ていきました。



★☆★☆

「三銃士」が、ちょっと詰まって進まないので、骨休めに、久々の「おふざけ短編」です。

テギョタロウさん、すでにやりたい放題
( ̄□ ̄;)!!

次回、お供が登場します。